ホテルと共同で行うサンプリングキャンペーンは、従来のサンプリングと比べてどこが優れているのだろうか?
まず、宿泊客が受け取ったサンプルをすぐに使ってくれる点だ。東急インの客室には貝印の使い捨てひげそりが備え付けられているが、これは2枚刃タイプ。5枚刃のプレミアムラインであるiFITを受け取れば、すぐに使ってみたくなるのが道理だろう。
「普段電気シェーバーを使っていても、旅先では使い捨てひげそりを使う、という人は多い。ホテルに泊まったときにiFITのサンプルを使ってもらう、というのは、こちらの想定する利用シーン通りなんです」(タチアナさん)
東急ホテルズと組んだ他のメリットは「ターゲットを絞りやすい」「全国展開できる」という点だ。
iFITのサンプリングで、貝印がターゲットとしたのは男性ビジネスマン。東急ホテルズであれば、ビジネス、ラグジュアリー、リゾートなどとホテルのラインがはっきりしていて、ターゲットの絞り込みがしやすかった。また、これまで貝印ではサンプリングは小規模・局地的にしかやっていなかったが、全国にホテルを持つ東急ホテルズと組んでのサンプリングであれば、当然全国で展開できる。
東急ホテルズのほうでも、今回のサンプリングキャンペーンは非常に好感触だったという。「宿泊のお客様にもとても好評で、1カ月の期間が終わらないうちに配り終わってしまったところも多かったです。また、男性にお渡ししていたのですが、『私も欲しい』とおっしゃる女性のお客様も多かったそうです」(東急ホテルズ マーケティング&セールス部 営業企画戦略課長 秋元成康さん)
「実は昨年(2011年)も、他社とですがアンケート付きのサンプリング配布を当ホテルで行うという試みはしていました。そのメーカーさんは、アンケートの結果が欲しいということでしたので、サンプルを1つお渡しするごとにいくら、という形でご協力したのです。今回のサンプリングキャンペーンでは、(無料宿泊券や入会権プレゼントにかかる)原資を貝印さんが持って下さるということだったので、『ホテルを使うお客様がうれしいもの』『お客様に還元できるものにしたい』という気持ちがあり、朝食券、客室のアップグレードなど数々のアイデアが出た中から、こういう形になりました」(東急ホテルズ 運営部 運営課 マネジャー 杉山圭司さん)
貝印と東急ホテルズの両方とも、今回のサンプリングキャンペーンには満足度が高かったため、第2弾も検討中だ。男性向けだけでなく、女性向けのキャンペーンも検討しているという。
「当ホテルとしても、女性のお客様の満足度向上はとても重視しているところなのです。女性のビジネス利用も増えていますし。例えばエクセルブランド(赤坂、渋谷、羽田、成田のエクセルホテル)では現在、化粧品メーカーと組んで、レディスルームバージョンアッププロジェクトを実施中です。これまでももちろんアメニティは置いていたのですが、基礎化粧品のレベルを高級化粧品メーカーのものに上げるといった試みをしています」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング