就活や転職、若年層を中心としたキャリアについて、仕事柄仕方なく詳しくなったサカタカツミが、その現場で起きている「当事者たちが気付いていないフシギ」について、誰にでもスルッと理解できるように解説するコラム。
使えない部下が毎年出現するのはなぜなのか? その理由も、垣間見えるはずです。
クリエイティブディレクター。1967年生まれ。長年、就職や転職、キャリアに関するサービスのプロデュースやブレーンを務めている関係で、就活や転職には詳しい。直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』、『就職のオキテ』がある。
個人的に書いている就活生向けのブログは、なぜか採用担当者たちから「読んでいて心が痛くなります。ホントに辛いです」という評価を受けている。Twitterアカウントは@KatsumiSakata。
先日、女将がオススメするタレは「お酢と胡椒」というお店で餃子を食べた時の話。前回、マンゴークリームワッフルを食べていた編集長の吉岡綾乃さんは、羽根付きの餃子を箸でつまみながら、前回の私の記事についてこう振り返りました。
「サカタさんの原稿、前回はあまりTwitterで評判にならなかったようですね。その前とか、連載1回目のときはすごく反響があったのに」
「いやいや、Facebookでは『いいね!』をたくさん押されていたじゃないですか! アクセスランキングでも上位になってたじゃないですか!」と反論したいのを我慢しながら、褒められない自分はかわいそうだ……と内心泣いていた私。同時に考えていたのは、「そろそろ『就活生はかわいそう』という話が出回る時期だな」ということでした。就活は大変、就活生はかわいそう……あなたは、そう信じていませんか?
内定が出た後、普通の就活生がまず何をするかご存じですか? 彼らはまず「髪を染める」ことから始めます。笑ってしまいそうですが、本当です。外見から「内定が出た」「もう就活しなくていいんだ」ということを表そうとする行動なのでしょうか。
特に女子就活生は、何はなくともまず髪を染め、黒髪とサヨナラするところから再スタート。その次に、卒業旅行の準備に入ります。内定先の企業の拘束や研修、数々の行事、取り残している単位などを調整しながら、4回も5回も卒業旅行に足を運ぶのです。彼らの言い分は決まっており「学生時代にしか、まとまった休みは取れないですよね。ですから、精一杯学生の特権を利用しようと思っています」とのこと。
このように、外見でも話す話題でも「内定が出ている就活生とそうでない就活生」がクッキリと分かれてしまうことになります。内定がない就活生は、秋になっても黒い髪、リクルートスーツ、そして、地味なカバンに靴という装い。卒業旅行に行こうと誘われても予定が立てられませんし、周囲もそれを気遣って、そもそも誘いません。ですから、内定が出ていない就活生は友達付き合いが極端に減ってしまい、とてもつらくなってしまうのです。「数撃てば当たる」方式で、焦っていろいろな企業を受けるのですが、そういうやり方をしてもイマドキの就活は上手くいきません。結果として、しんどい思いをして、焦ってもがき、さらに辛くなる……という悪循環に陥ってしまうのです。
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