就活や転職、若年層を中心としたキャリアについて、仕事柄仕方なく詳しくなったサカタカツミが、その現場で起きている「当事者たちが気付いていないフシギ」について、誰にでもスルッと理解できるように解説するコラム。
使えない部下が毎年出現するのはなぜなのか? その理由も、垣間見えるはずです。
クリエイティブディレクター。1967年生まれ。長年、就職や転職、キャリアに関するサービスのプロデュースやブレーンを務めている関係で、就活や転職には詳しい。直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』、『就職のオキテ』がある。
個人的に書いている就活生向けのブログは、なぜか採用担当者たちから「読んでいて心が痛くなります。ホントに辛いです」という評価を受けている。Twitterアカウントは@KatsumiSakata。
「先週末は鈴鹿に行っていたもので、ランチをご一緒できなくて、申し訳ありません。前回の記事は祝日掲載だったせいか、いつもよりもイマイチ反応がなかったですね。次回はピリッと辛い原稿をよろしくお願いします」と、編集長の吉岡綾乃さんからメールが届いた。指摘は甘んじて受けようと思ったけれど、添付されていた写真はなんと季節外れのかき氷。
ピリッとスパイスの効いた原稿を期待するなら、ここはカレーか何かでしょうと内心ツッコミつつ、もうすっかり涼しい日が続いているのに、かき氷なんか食べて彼女は頭が痛くならなかったのか? と心配していて思い出したのが、最近耳にした「頭の痛くなるような転職者の話」でした。
整理解雇や再就職支援などの言葉が周囲で飛び交い、いつ自分の身に降り掛かるのかと頭が痛くなるどころか首筋が寒くなっている人も多いのでは。
現状を把握するためには「再就職支援 サービス」というワードで検索してみると良いでしょう。世の中には、再就職を支援するためのサービスや講座などが、官民問わずたくさん用意されています。裏を返せば、それだけ多くの人が再就職をしたいと思っているけれど、それが困難なことだということでもあります。ついでにずらりと並んだサイトの中から、少し中身を確認してみてください。
再就職支援の講座などはとてもシンプルで、今まで自分が取り組んできた経歴の整理と、仕事の探し方、面接などの対策という要素からなっています。同時に、いくつかの再就職先が用意されているケースもあるので、その企業のラインアップを見てください。その企業の中に「ここだったら転職しても良いな」と思う企業はあったでしょうか? おそらくないはず。
再就職が難しいという話が報道された時に、多くの人が「選ばなければ仕事はいくらでもある」と口にします。確かに、採用困難と呼ばれる職種では、いつも求人をしています。恒常的に人が足りない。
ただ、人が足りない理由の多くは「継続して働くことが難しい仕事」であり、だからこそ「応募者が少ない」のです。働き続けるためには、仕事への向き不向きが重要。「文句を言わずに働け」というのは教科書的には正しいアドバイスでも、現実は無理なのです。「じゃあ、リストラなんてされなければ良いじゃないか」という声も聞こえてきそうですが、それだってなかなか難しい。なぜなら、企業がお払い箱にしたい従業員の幅は、以前よりもグンと広がっているのですから。
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