ZOZOTOWN騒動に見る、「送料無料」のツケは誰が払うのか?窪田順生の時事日想(1/3 ページ)

» 2012年11月06日 08時02分 公開
[窪田順生,Business Media 誠]

窪田順生氏のプロフィール:

1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。


 先日、「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥディがこれまで1万円以上だけだった商品配送料をすべて無料にするとというニュースがネットでちょっとした話題になっていた(関連記事)

 事の発端は、10月20日に同社の前澤友作社長がユーザーの「1050円なくせに送料手数料入れたら1750円とかまじ詐欺やろ? ゾゾタウン」というツイートを見つけ出して、以下のように応酬をしたことだ。

 詐欺??ただで商品が届くと思うんじゃねぇよ。お前の家まで汗水たらしてヤマトの宅配会社の人がわざわざ運んでくれてんだよ。お前みたいな感謝のない奴は二度と注文しなくていいわ。

 これが物議を醸して社長は「未熟でした」と謝罪。そんな騒動後の「無料化」だけに、思いのほか注目が集まったというわけだ。

 前澤社長には「なんて口の悪い社長」という批判だけではなく、「謝らないでください」という応援の声もあって賛否両論ということだが、個人的にはこれらのやりとりよりも、気になったことがある。それはネットの庶民感覚というのが、もはや送料は「タダ」というのが当たり前になっているということだ。

 「1000円の商品で700円の送料なんてそれはないわ」「そんな送料をとってよく上場できたな」――なんて感想がネット上にたくさん散見された。

 確かに、今やネット通販は「送料無料」を売りにしているところが多い。だが、前澤社長の言うとおりタダで商品が届くわけがないのであって、そこには必ず「裏」がある。

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