土肥:出雲社長は「食糧、栄養、地球温暖化、エネルギー……これらの問題は、ミドリムシが解決する」とお話されています。会社の中では、社長の夢を共有させることがものすごく大切になってくると思うんですよね。どのように共有されているのでしょうか?
出雲:会社で一緒にがんばってくれている仲間に、強く「こうしよう!」とかは言っていません。今はもうそういう時代ではないと思うんですね。漫画に例えると、ドラゴンボールの時代からワンピースの時代になってきているのではないでしょうか。
土肥:ワンピースの時代?
出雲:昔は、私が修行して、私が強くなって、私が敵を倒す。また私が修行して、私が強くなって、私が敵を倒す。このことを繰り返していました。しかしこれからは違う。私はミドリムシの研究に詳しいわけではありませんし、ミドリムシのトップセールスマンでもありません。それぞれの分野に、私よりも優秀な人たちが、会社に集まってくれています。そしてそこで大切なのは「一貫性」だと思うんですよ。
「ミドリムシで世界を救う」――。この考えは弊社の“一丁目一番地”になるわけですが、このメッセージは私が20歳のときから変わっていません。そしてこのメッセージは相手によって変えてはいけません。こうした一貫性が、ストーリーを発信する人には必要なのではないでしょうか。ストーリーがぶれない限り、人は力を貸してくれて、助けてくれる。これが私の考えるチームです。
土肥:なるほど。最後に、もうひとつだけ質問させてください。ミドリムシを増やすことに成功されて、どんなことが見えてきたでしょうか?
出雲:この世に「くだらないモノなんてない」ということが見えてきました。ミドリムシだろうが、ダンゴムシであろうが、イモムシであろうが、くだらないモノなんてない。それは生物だけでなく、仕事でもそう。くだらない仕事なんてないと思っています。
ミドリムシを研究してきて、これまで何度も「くだらないなあ」と言われてきました。それでも自分が「好きだなあ」「面白いなあ」と思えば、どんなモノでも応えてくれるのではないでしょうか。
(終わり)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング