世界のカルチャーから政治、エンタメまで幅広く取材し、夕刊紙を中心に週刊誌や月刊誌などで活躍するライター。
最近、北朝鮮の金正恩第一書記に世界の注目が集まっている。先月、金正恩は米タイム誌の世界で最も影響力のある100人に選ばれた。バラク・オバマ米大統領や、ユニクロの柳井氏も名を連ねる中、彼らと同列に扱われたのだから大したものだ。
もっとも、核兵器を打ち込むと声を荒げて世界の大国を動揺させ、国民を大量に餓死させている「殺人行為」を考えれば当然だろう。
それだけではない。ロシアで恒例となっている5月1日(メーデー)の「反資本主義」行進にも、金正恩のポスターが登場した。レーニンやスターリン、リビアのムアマル・カダフィ大佐のポスターまで掲げられた行進に登場したことは、金正恩がその存在感を認められたということだろう。
先日、米国を訪れたときに会った米国人の反応からも、金正恩に対する関心が高まっていることが分かった。米本土も攻撃すると気勢を上げたからだろうが、ほとんどがネガティブなものだった。あちこちで「北朝鮮情勢は大丈夫なのか?」と聞かれ、「『若いキム』は大丈夫なのか」「まともな判断ができるのか」と質問された。
ただここ数日の外国の報道を見る限り、北朝鮮による最近の強硬な言動は、結局はこれまでと何ら変わらない常套手段の脅しに過ぎなかったということで落ち着いているようだ。特に、北朝鮮がこのタイミングで韓国系米国人を懲役刑にしたという事実で、一気にそんな空気が広がった。
過去にも同様のやり方で米国との交渉のきっかけにしたことからも、やはり援助などを引き出すことが最大の目的なのだというのが大方の見方だ。
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