「真面目に勉強しているのに評価されない」就活生には2タイプいるサカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」(2/4 ページ)

» 2013年05月13日 09時01分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]

 そういう説明をしても、「勉強に一生懸命打ち込んできた」と自称する就活生は納得しません。自分は評価されていないのだから内定が取れないのだ、勉強をしてきたことが無駄だったことが悔しくてならないと、それこそ机を叩く勢いです。ここまで読んできて、企業の採用担当者の多くや学校などでキャリア相談を担当している人たちはピンと来たはずです。ああ、あのタイプの就活生のことかと。そう「真面目に勉強に打ち込んできた」という学生の中には、大きな勘違いをしている人たちが少なくないのです。

「勉強の成果」が評価されない就活生には2タイプいる

 真面目に勉強に打ち込んできたけれども、そのことが評価されないで内定が取れないと憤る就活生にはいくつかの共通点が見受けられます。まずは「自分が勉強してきたことを、上手く説明できない」人がとても多い。どんなことを専攻してきましたか? と質問しても「いや、専門的な話で普通の人にはなかなか理解してもらえないので」とか「うーん、一言で説明するのは難しい研究です」と返してしまって話が広がらない。難しくても聞くので話して欲しいと依頼しても、きちんとした説明ができない。話を聞いている側からすると「この学生は自分が勉強していることを理解していないのかもしれない」とうがった見方をしてしまうケースが多いのです。

 その延長線上にあるのが「学んだことと働きたい場所で求められる能力が紐づいていない」というケース。例えば、大学で「西スラブ語群」について学んだとします。しかし、その言語を生かしてビジネスをする現場はそれほど多くない。本来なら、それを学んだ経験から「こういう能力が身に付いた」と伝えれば、多くの企業で汎用できる話なのですが、そうしない。こういう言語を学びました。真面目に一生懸命取り組みましたと説明するだけ。当然、その先にある「身に付いた能力」やポテンシャルを汲み取って判断してくれる採用担当者も少なくありません。が、多くの場合「いや、ウチはそもそも言語が必要な企業との取引はないよ」と言われるのがオチです。この学生はどうしてウチを志望しているのかしらと、採用担当者たちは考え込んでしまうのです。

 ただ、このケースは前述したように救いがあります。学んだことで身に付いた能力を汎用性があるように言語化して説明できるようになれば、多くの場合解決します。一生懸命勉強してきたことが報われるのです。しかし、もう一つ厄介なケースがあります。それは「一生懸命の意味を取り違えている就活生」たちの存在です。実感値にすぎませんが、冒頭に書いた風に「世の中間違っている」と憤っている就活生の大半は、こちらのタイプが多い気がします。それは「単に真面目に授業に出ていただけ」という学生。毎日遅刻もしないで授業に出ていた、提出物もすべて出した、という人です。もちろん、そういう人も評価されて然るべき、という考えもあるでしょう。けれども、学生の本分は勉強である、だから毎日学校に行って授業に出た、だから一生懸命勉強に打ち込んできたと言えるのだ、という図式は、本来成り立たないはずなのです。

(写真と本文は関係ありません)

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