1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。
近ごろえらく暑いので、コンビニでよく飲み物を買っていたら、そのなかに「ふーん」と思わず手にとった商品があった。
紙パック飲料の「バンホーテンココア」(株式会社明治)なのだが、まず表面にマンガ「テルマエ・ロマエ」の1コマが描いてある。なんなんだろうと思って、開け口を開くとそこに2コマ目。さらにQRコードがあり、これをスマートフォンやフィーチャーフォンで読み取ると1話分がタダで読める、とある。
調べてみると、これは「飲む&読む! パクコミ」というキャンペーンで、「“隠されていると見たくなる”という人の心理をつき、紙パック飲料の開け口に着目し、“袋とじ”を開ける感覚を提供」するらしい。
米国では行方不明になった子どもたちを捜索するため、紙パック牛乳に彼らの写真やプロフィールを掲載していた時期がある。毎日購入する紙パック飲料の表面は、多くの人の目にふれやすいということで、さまざまなキャンペーンに活用されることも多いのだが、「開け口」をつかうというのは初耳だ。
そういう意味では確かに斬新な発想かもしれないが、この「隠されていると見たくなる」商法というのは、かなり古くから行われているものだ。
例えば、今も週刊誌をにぎわす「袋とじ」というのは明治時代の雑誌にすでにあった。こういう発想のルーツがどこにあるのかというと、個人的には江戸時代の「春画」にあるのではないかと思っている。
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