分岐器には車輪が通過するための隙間も多い。これが列車を不安定にさせるので、分岐器を通過する場合は速度制限がある。ただし、新幹線などでは、高速で通過させるため、可動部分を増やして隙間を埋める「ノーズ可動型ポイント」もある。脱線した列車は「通常は同駅を時速150キロメートルで通過していた」というから、ノーズ可動型だったかもしれない。そのノーズが外れた可能性もある。もっとも、大陸の鉄道は日本と違ってゆったりしたつくりだから、分岐角度が小さければ、ノーズ可動型でなくても高速で通過できたかもしれない。
「分岐器のレールを接続する鉄製の部品」というだけでも、これだけの要素がある。だから、「分岐器のレールを接続する鉄製の部品」だけでは原因とは言えない。何が外れたか、図で示してほしいが、それで参考になる人は鉄道関係者くらいだから、一般市民向け報道では「分岐器の不具合」でいいだろう。
問題は「分岐器の不具合」がなぜ起きたかだ。この部分で日本に住む私たちにも教訓とすべきところがある。
鉄道ファンは悩ましい存在……鉄道会社がそう感じるワケ
「青春18きっぷ」が存続している理由
なぜ新幹線は飛行機に“勝てた”のか
JR東日本は三陸から“名誉ある撤退”を
あなたの街からバスが消える日
なぜ「必要悪」の踏切が存在するのか――ここにも本音と建前がCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング