後藤一仁 株式会社フェスタコーポレーション 代表取締役
1965年神奈川県川崎市生まれ。東京都在住。
公認不動産コンサルタント。大手不動産会社のハウジングアドバイザー、東証一部上場企業連結不動産会社の取締役営業部長を経て、株式会社フェスタコーポレーションを立ち上げ、代表取締役に就任。
平成元年より25年間、東京を中心に常に顧客と直接接する第一線での不動産実務全般に携わり、著名な方の取引実績も多数ある。対面個別相談件数1万組超、取引件数6000件超の人気不動産コンサルタント。「All aboutプロファイル」登録専門家(2012年年間人気建築・不動産系専門家ランキング全国1位、2013年上半期同専門家ランキング全国1位)。
朝日新聞社運営協力「マイベストプロ東京」登録専門家。コラム執筆、セミナー講師、新聞、雑誌など「不動産を通じて、世の中の1人でも多くの人を幸せにする」ことをミッションに活動中。
保有資格:国土交通大臣登録証明事業・公認不動産コンサルティングマスター。宅地建物取引主任者。賃貸不動産経営管理士。
マンションの購入を検討するときに、多少狭くても「都心の利便性が高いマンション」を購入するのがよいのか、都心から離れた郊外でも「広さと価格を重視するマンション」を購入するのがよいのか迷うことがあります。
実は、この2つの考え方には、ある共通した思考の傾向性があります。
それは「狭くても利便性を重視するマンション」を購入したいと思う人は、購入する段階から将来売るときのことを何となく考えていて、自然に価格が下がりにくい物件を選ぼうとしているケースが多い。一方「広さと価格を重視するマンション」を選ぶ人は、購入時点では「一生住むつもり」と思っていて、売ることはあまり考えていなかったりします。
しかし、「資産性」という視点から見た場合、この2つの考え方には将来大きな差が出てしまうことが多いのです。
利便性重視の人が選ぶことの多いマンションは、例えば都心で4480万円の53.6平方メートル・2LDKなど、人気沿線の駅から徒歩4分、通勤や通学、買物などの利便性がとてもよく、賃貸層の人気度も高いエリアのマンションだったりすることが多いのですが、やはり広くはないので子どもが産まれたり成長するに伴って手狭になります。
一方、価格と広さを重視する人が選びやすいマンションは、郊外などの都心から少し離れた場所に建つ3980万円で81.7平方メートルの3〜4LDKなど、将来、子どもが2、3人増えたとしても十分な広さがあることや、周辺には大きな公園があって緑も多く、住環境良好であることが多いです。
都心から離れている分だけ広さのわりには価格が安いため、住宅ローン返済も比較的軽く、生活も都心のマンションを購入した場合よりも若干楽になります。
しかし、交通の便があまり良くないと、自宅と都心までのアクセスは、最寄駅までは徒歩か自転車、あるいはバスなどを利用し、電車も何回か乗り継ぐこともあります。また、電車やバスが来るタイミングが合わないときは1時間以上かかってしまうこともあります。また、仕事の都合で終電の時間になってしまうと最終バスを逃してしまってタクシーを利用したり、終電に間に合わなければ都心のビジネスホテルに泊まることになります。
都心から離れているマンションを選択する人は、緑が多いなどの住環境の良さや価格の安さ、専有面積の広さなどと引き換えに、交通の便の悪さという代償を払っていることになります。
ただ、妻や子どもが都心に出て行くことが少ないのであれば、広くてきれいなキッチンやリビング、ゆったりとしたベッドルームがいくつもあるわりに比較的安い価格なので、住宅ローンの支払額も安くて済みます。子どもも広い自宅と緑がある環境の中で伸び伸びと育ち、特に不満を抱かずに暮らしている場合が多いです。
このパターンを選択する家族の主人からは「妻と子どもが喜んでくれればいい。僕が我慢すればよいのだから」という言葉をよく聞きます。
copyright (c) "money no tatsujin" All rights reserved.
Special
PR注目記事ランキング