情報会社STRATFOR代表であるジョージ・フリードマン氏によれば、その地域はアジア、東アフリカ、そして中南米だ。国としては、フィリピン、ラオス、ベトナム、ミャンマー、バングラデシュ、カンボジア、インドネシア、スリランカ、エチオピア、ケニヤ、ウガンダ、タンザニア、メキシコ、ドミニカ、ニカラグア、ペルーの名前を挙げている。
これらの国のうちTPP(環太平洋経済連携協定)参加国は、ベトナム、ペルー、メキシコだ。そうなると日本企業の海外進出を考えるとき、中国プラスワンをどこに絞ればいいかがある程度見えてくるのかもしれない。経済連携協定が結ばれ、なおかつ豊富でコストの安い労働力がある国なら、将来的なリスクは比較的小さいといえるかもしれないからだ。
日本企業がこれから生き残るためには、市場と生産拠点(もちろん研究開発拠点も)をどう考えるかにかかっている。しかも工場はいつまでもそこに置いておけるわけではない(日本国内から労働集約型の工場が消えていったことを見れば分かる)。いつまでも中国で生産できるわけでもないし、バングラデシュで生産を続けられるわけでもない。しかも以前よりも時間の流れは速い。
次の一手をどこに打つか。さらにその次の一手の選択肢をいくつ考えるか。世界の企業はその競争のただ中にある。結果的に運が左右することもあるだろう。例えばエジプトはNEXT 11に入っていた。2005年時点では中東で最も安定した国の1つだったからだ。しかし今では、最も不安定な国になってしまった。重要な産業である観光は大打撃を受けるだろう。経済はこれで10年以上の無駄な時間を費やすことになるかもしれない。
こうしたリスクは避けられないかもしれないが、少しでも小さくすることはできる。そのための情報と、その分析こそ日本企業の将来を分けるといって過言ではあるまい。
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