「キュレーションで効率的に情報収集」の落とし穴――池上彰×吉岡綾乃(前編)リニューアル記念企画「これからの働き方、新時代のリーダー」(1/4 ページ)

» 2013年09月02日 01時00分 公開
[嶺竜一,Business Media 誠]

リニューアル記念企画「これからの働き方、新時代のリーダー」

 「アクションリーダーの『知りたい!』に応えるオンラインビジネスメディア」を統一コンセプトとして、9月2日にリニューアルしたBusiness Media 誠 & 誠 Biz.ID。これから数カ月間、リニューアルを記念して、スペシャルインタビュー企画を掲載していきます。

 本企画では、Business Media 誠編集部と誠 Biz.ID編集部がそれぞれテーマを決めてインタビューや対談を行います。Business Media 誠では「アクションリーダーに会いに行く」、そして誠 Biz.IDでは「時代の変化に合った働き方」をテーマに、さまざまな識者の方にお話を聞いていきます。

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 Business Media 誠のリニューアル記念インタビュー企画「これからの働き方、新時代のリーダー」。最初に登場していただくのは、ジャーナリストの池上彰さんです。『伝える力』『そうだったのか!現代史』など多数のベストセラーを書かれているほか、最近では選挙特番のメインキャスターとしてもたくさんの人たちに支持されています。

 「誠の読者がいま一番お話を聞きたい人、何かを教わりたい人は誰だろう?」と考えていて、真っ先に名前が挙がったのが池上さん。その池上彰さんとBusiness Media 誠編集長の吉岡綾乃が行った対談を、前後編に分けてお送りします。今回の前編では、今ビジネスパーソンはどのように情報を入手したらよいかについて話し合います。(聞き手&構成、嶺竜一)

――良い仕事をするためには、新しいアイディアを生むための情報を持っている事がとても大切です。しかし昨今、情報の流れ方も人々の情報の受け取り方も多様化しています。インターネットやSNSがあらゆる人々の生活の中に浸透するなかで、どのように情報と接していたらいいのか難しくなりつつあるように思います。現代のビジネスマンは、どう情報と接したらいいのでしょうか。

吉岡: メディアの在り方とか、情報収集の仕方は、ここ数年で大きく変わってきていますよね。じつは私自身、情報収集がかなりネットに寄ってきているのを実感しています。紙の新聞を取るのは、数年前にやめてしまいました。紙で新聞を読むのは、時々日経新聞を外で買ったり、会社で日経MJを読むぐらい。日経新聞&産経新聞の電子版やニュースサイトはチェックしていますが、SNSで情報を仕入れることが増えました。号外的なニュースなどは特に、Twitterで知ることが多いですね。

 Twitterは、フォロワーが少ないときは友達とやりとりするためのツールだったんですが、フォローを何百人と増やしていくと状況が変わります。少人数だとどうしても自分と似た人ばかりで集まってしまいますが、いろんなタイプの人のたくさんのつぶやきが並ぶと、ある意味「Twitterが世間になる」んですね。そういう面白さがあります。

 ニュースを読むにしても、最近はSmartNews(参照リンク)Gunosy(参照リンク)など、いろんな人が話題にしていたり自分のニーズにあった情報を集めてくれるキュレーションサービスが増えていて、人気がありますよね。私も使っていますが、出てくる情報のほとんどはすでに知っているものなことも多く、100%役立つわけではありません。それと、果たしてこれでいいのだろうかと思っている部分も自分の中にはあるんです。

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