音楽制作業に従事しインディレーベルを主宰する傍ら、IT系のライターもこなす。街歩き用iPhoneアプリ「東京今昔散歩」「スカイツリー今昔散歩」のプロデューサー。また、ヴィンテージ鍵盤楽器アプリ「Super Manetron」「Pocket Organ C3B3」の開発者でもある。近著に『AmazonのKindleで自分の本を出す方法』(ソフトバンククリエイティブ刊)がある。
YouTubeやニコニコ動画には、国内外含めて有名アーティストの動画が多数アップロードされている。1970年代に青春まっただ中で、ばりばりのロック少年だった筆者としては、「こんな映像があったのね!」というヴィンテージ系ロックの驚きの映像を見つけるたびに、自分のブログやFacebookの「近況」にエンベッド(埋め込み)し、「こんなの見つけたぜ」と「いいね!」の数が増えるのを眺めながらオヤジモード全開で追憶の境地にどっぷりと浸りきっているわけで、ああ、なんて後ろ向きな人生なんだろう……。
そんなオヤジでなくても、お気に入り動画を外部サイト埋め込むという行為は、今では多くの人が普通に行っている。ただ、ここで原点に立ち返ってふと考えた。このような行為は、著作権的にどう判断すればいいのだろうか、と。いとも簡単に埋め込めるからといって、他人の、しかもプロである有名アーティストの演奏やプロモ動画を外部サイトにペタペタ貼り付けてもいいのだろうか。
というわけで早速、1ユーザーとしてJASRACのネットワーク課にYouTubeとニコニコ動画の利用方法について電話して聞いてみた。それによると……、
がくぜんとした。冒頭で紹介したような有名アーティスト動画の使い方をしたら、アーティスト本人なり、楽曲を管理する出版社なり、レコード会社なりの許諾に加え、JASRACの許諾が必要になるということだ。それを無断で行っていた筆者は他人の権利を著しく侵していることになる。ごめんなさい。削除します。
JASRACでは、「動画投稿(共有)サイトにJASRAC管理楽曲を含む動画をアップロードすることについて」というガイドラインを明示し、「はい」「いいえ」式のフローチャートで、権利者やJASRACの許諾の有無を説明している。このフローチャートを追っていくと筆者の行った埋め込み行為は完全にアウトだ。
その一方で、最近では公式チャンネルの中でアーティスト自身が積極的に動画を公開している。動画サイトを楽曲のプロモーションの場として利用しているわけで、権利者側からすると、動画サイト内だけにとどまらず、なるべく多くのリンクや埋め込みを使ってもらって外部サイトにも広まったほうがうれしいはず。そのような動画にも「権利者の許諾が必要」というのであれば、せっかくのプロモーション効果も半減であろう。
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