晴香:多くの人は傷つくことに敏感で、相手に正直さを求める傾向があります。相手から「正直に言ってね」と迫られると、その人を傷つけないためにウソをついてしまうケースが多いんですよ。「自分はウソをつく」ということを認識しながら、その一方で相手にはできるだけ正直であってほしい……そう望むのが、人間の特徴だと思いますね。
土肥:ウソをつかれても「まー、まー、人ってウソをつくもの。そんな小さいことには目をつぶって」といった対応がよいのでしょうか?
晴香:もちろん悪質なウソはいけませんよ。ニュースで報道されるようなウソはダメ。でも日常的な些細なウソに対しては、波風を立てずに、細かく追及しないほうがいいですね。「絶対に許せない」と感じたウソでも、そこで逆上せず、そのウソにある事実に目を向けるべきではないでしょうか。
ある女性はこのように言っていました。「夫が浮気をしていた。そのことに頭にきて、現在は離婚を考えている。上手に離婚をして、慰謝料をたくさんとりたい」と。でも「上手に離婚する」とはどういうことでしょうか。詳しく話を聞いてみると、その女性は、夫をダマそうとしていたんですね。
土肥:怖い、怖い(苦笑)。
晴香:「ウソをつかれた」「裏切られた」と思っても、思い込みや誤解であることも多い。また、そのウソの奥にある思いはさまざま。ケースバイケースで冷静に対応する必要があります。一時の感情にまかせて、関係を破たんさせるのは、ちょっと前のめりすぎだと思いますね。
たくさんの思い出や楽しかったことが、たったひとつのウソで無になってしまことがあります。精神的苦痛が続いて、人間不信に陥る人もいるでしょう。とてもつらいことですが、落ち着いて行動することが大切。私たちは自分もウソをつくのに、人からウソをつかれると驚き、冷静さを欠く行動に出てしまうことがあります。その行動によって、人生を台なしにしてしまうことがあるんですよね。なので「ある程度のウソはある」と受け止め、「自分はウソに振り回されない」と決めておけば、ウソと上手に付き合っていくことができるのではないでしょうか。
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