TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉で、日本はこれまで“聖域”とされてきたコメなど重要5分野の各品目の中からも、関税撤廃の可能性を探るため検証を始めることになりました。ぶっちゃけ、ほかの参加国から「オレたちだって関税撤廃しているんだから日本ももっと自由化しろよ」と冷たい目で見られているような状態なのです。
国内からは当然反発の声もあがっています。国内産業を保護してTPPから脱退するか、痛みを受け入れて開かれた日本になっていくのか注目です。
米韓FTA(自由貿易協定)で関税が引き下げられたものの中で、米国産の日本車や日本酒の売り上げが伸びているそうです。質の高いものであれば、関税の引き下げや撤廃を契機に地元産の商品と戦えるという好例です。逆に考えて、関税撤廃で外国から安い製品が入ってきたとしても、価格に見合っただけの価値があればこれもまた十分戦えるということになるのではないでしょうか。
関税というハンデをなくして「本来の価値で勝負する」という時代が来たのでしょう。品質・価格・機能・デザイン・素材・耐久性・安全性……どこに価値を置くかは消費者の価値観にもよりますが、国内外において“日本ブランド”への信頼はまだ根強くあるのは確かです。自信を持って価値のある製品を作り出すことが大切だと感じます。ひいてはTPP問題から、自身の“人としての価値”を高めるのも悪くないな……と思ったりもしました。
外国人と戦っても負けない人材へ! 職場や身近に外国人はいないけど、戦場はどこ? じゃあちょっと外国行ってみる? こんな感じで海外旅行も悪くないかもしれません。いや何も、人と人なら戦う必要はないんですけど。さらに関税がゼロなら日本から海外への輸出品はより有利なので、あずさの行動は無茶苦茶なんですが。あー、行きたいですね、海外……。
「俺は日本だとモテないけど、海外ではモテるんだ」と言って、海外移住を検討している友人がいます。
著者プロフィール:雄山スズコ
漫画家兼投資家。政治経済ジャンルに主に生息。2004年から投資を始める。中国株、日本株、各種外貨資産などさまざまな金融商品で痛手を負うが、こりずに挑戦中。著書に『政治萌え!〜国会ゆるゆる観察日記』(司書房)、『国会萌えコメディ 政界のまんががこんなにユルいわけがない』(集英社)。ぷら@ほ〜むで『国会萌えコメディ政界のまんががこんなにユルいわけがない』を連載中。公式サイト「桃熊薬局」。著作一覧はこちら。
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