今、日本にある法人数はおよそ250万社。そのうちの約73%、およそ180万社が赤字法人です。そして、業種別にみると最も赤字会社が多いのが「料理飲食業」。料理飲食業では、83.7%が赤字だそうです。業界の中で、長く続く不況のあおりを受けて大変な思いをしている人は少なくないでしょう。一般的な感覚として、節約しようと思ったら、まずは「外食を控えよう」となりやすいからです。
そんな料理飲食業に携わる人にとって、このニュースは朗報かもしれません。
「交際費、大企業も損金に 財務省検討 増税後の消費下支え」
財務省は来年度から、大企業が交際費の一部を税法上の費用(損金)に算入することを認める検討に入った。これまでは中小企業にだけ認めていたが、大企業にも対象を広げることで、来年4月の消費増税による消費需要の落ち込みを和らげるねらいがある。年末に与党がまとめる2014年度の税制改正大綱への盛り込みをめざす。
(平成25年10月12日付 日本経済新聞)
交際費とは、得意先との飲食費やゴルフ料金、お中元やお歳暮、お香典、お祝い金などのような支出のことです。得意先との飲食などのお付き合いは、事業活動を行う上で欠かすことができないものです。
ただ、この交際費、1992年度には6.2兆円あったのが、2011年度には2.8兆円にまで減少しました。景気の停滞で企業が会食やゴルフ接待などにお金を使わなくなったのでしょう。この交際費の減少が、零細企業が多い飲食店の経営を圧迫してきた一因とも言われています。
交際費は、税法上損金に算入できる金額が制限されています。資本金1億円以下の中小企業では、年間最大800万円まで。資本金1億円を超える大企業では全額損金に算入できません。交際費は使っても経費として認められない、つまり交際費には税金がかかるということです。そのため最近の大企業は交際費をほとんど使っていません。今、交際費を使っているのはほとんどが中小企業です。
国税庁の統計によると、2011年度の交際費総額2.8兆円のうち、大企業が使っているのはわずかに6000億。これは全額損金不算入ですね。
残りの2.2兆円もの交際費を使っているのは資本金1億円以下の中小企業。このうち損金不算入は17.8%だけ。残り82%に相当する1.7兆円は損金としています。
これは中小企業が交際費の損金の枠を持っていることが大きいと思います。
もし、来年の税制改正で大企業も交際費を損金に算入できるようになれば、課税所得を減らすことができるわけですから、間違いなく今よりは交際費を使うようになるでしょう。飲食や贈答などが増加することになると思います。
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