ファストファッション時代にどう対応する? ビームス創造研究所の青野賢一さんに聞く働くこと、生きること(後編)(2/3 ページ)

» 2013年12月12日 16時54分 公開
[印南敦史,Business Media 誠]

若い世代が学んでいる過去の価値は、未来と同等

 多方面で活躍を続ける青野さんはいまや、BEAMSのアイコンと言ってもさしつかえない。将来的に、経営側に移る可能性もあるのでは?

「いやいや、それはないんじゃないですか? そういうことに向いている人は自分以外に多くいると思うので。たぶん、僕はタイプが違う。僕、自分のことを人に説明するとき『太陽系の一番外を回っているような存在』だって話すんです。たまに軌道から外れるんだけど(笑)、でも外側の宇宙とは一番近いところにあって、一応太陽系には属している。その太陽系を会社と捉えてもらえればいいと思うんですけど、一番外を回っているからこそ、見えることがあると思うんです」

「例えば、『ちょっと地球の緑が減ってきてるね』とか(笑)。それは地球上に住んでいると分からないし、地球にいると身の回りの変化だけでしか状況を判断できなくなってしまう。会社が好きな人って、特にそういうところがありますよね。目の届く範囲だけが世界になっちゃう。でも、世界ってそういうものではない。『外側からこう見えてるから、こうしたほうがいいんじゃないか』と提案する役割でもあると思うんですよね。つまり、一番引いたところから状態を見る感じです」

 ではそんな立場から、現在の若い世代をどう見ているだろうか?

 「各世代ごとの親和性が重要だと思っています。僕らの年齢って“第二次隙間世代”って言われているんですけど、つまり『新人類』と『団塊ジュニア』の間。僕らが高校生のころに出てきた新人類の人たちがやっていたアカデミックなことを、僕は面白いなと思って見ていたので、新人類世代とは親和性があるんです。なので、その世代の親を持つ90年代生まれの人たちとも親和性がある。だからいま、19、20歳くらいの人たちと話すのが面白いんです。で、彼らからすると、僕らが過ごしていた時代は感覚的に未来と同じなんですよね。自分が経験していないから」

青野賢一さんは今の若者をどう見ているのか

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