そして翌年は、もっと大変なことになるのだ。クリスマスケーキが予想以上に売れて気を良くしたオーナーたちが、さらに頑張って売り上げを伸ばした。それまで鼻にもかけなかったオーナーたちも“金の匂い”を嗅ぎつけたとばかりに動き出したのだ。
あるオーナーは「売り上げが、前年比120%増です!」などと喜んでいたが、ちょっと待ってほしい。考えてみたら“今まで何をしていたのか”という話でもある。また別の店舗では、冷蔵トラックを貸し切って保管……という事態になっていた。
てんやわんやになっている中、本部のエラいさんはこう言った。「目標というのは『前年比120%増』といった数字ではなく、『500%増』といった非現実的な数値のほうが達成しやすい」と。さらに「現実的な数値というのは過去の延長でしかなく、行動に変化は生まれない。だが、非現実的な数値を提示されると、今までの動きでは対処できないのでブレークスルーが生まれやすい」とも。
“眉唾”だったその言葉が、その後なんとなく理解できるようになったのだ。
ローソンのコーヒーは誰が飲んでいる? データから見えてきたコト
コカ・コーラのようなマーケティングが、日本でできない理由
喫茶室ルノアールにあって、スターバックスにないもの
なぜコンビニは人気のない「エッグタルト」を売り続けるのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング