増税後の牛丼バトル――値上げ、値下げ、どちらが支持される?数字のオモテとウラを学ぶコラム(3/3 ページ)

» 2014年04月08日 08時00分 公開
[眞山徳人,Business Media 誠]
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では、客数は?

 くどいようですが売上高は「来客数×客単価」という掛け算で表現できます。客単価の下落を覚悟で値下げに踏み切ったすき家は、来客数を増加させることで売上を増やしていくしかありません。

 その点、すき家の来客数はどうかというと、値下げに合わせて見事に増加していることが分かります。

 値下げによるアナウンス効果を上手に利用することで売上をあげていく。これが「すき家」の手法だと言っていいでしょう。

 今回、280円で横並びだった価格に差をつけた「すき家」。増税という環境下での値下げは本来利益に大きな負のインパクトを与える判断なのですが、だからこそ、懐に優しい価格設定が大ウケして来客数の増加につながることは、十分想像できるところです。

 一方で、一番最初のグラフを見る限りでは、特に松屋はすぐに価格面で追随するように動いています。今回の価格差を埋めるべく、松屋はおそらく値下げのための工夫を今ごろ考えているのではないかと想像されます。吉野家は価格競争については腰が重いほうですが、元祖牛丼チェーン店としてどのような戦い方をするのか? 3大チェーンの今後を引き続き見守っていきたいと思います。

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