下のグラフは、大手3チェーンの牛丼の価格と客単価(百分比率)を並べたものです。
吉野家はそもそも、価格改定の頻度はそれほど高くない代わりに、380円→280円という大胆な値下げを行っています。牛丼だけでみれば価格の下落は26%になります。しかし、値下げ後も客単価の推移はほとんど変わっていません。
これは、380円時代にメニューに登場していた「牛鍋丼」という商品の存在によるものです。牛肉を多く使わない、ヘルシーで低価格な製品を投入することで、価格競争に挑んでいた吉野家。やがて輸入牛肉の規制緩和を受けて、牛丼自体の値段を280円に下げ、牛鍋丼をメニューから取り払ったわけです。消費者からすれば、「最安値=280円」という感覚に変化はなかったため、客単価にも変動はなかった、ということになります。
一方、すき家のグラフを見ると、牛丼価格の推移と客単価の推移はかなり似通っていることが分かります。吉野家のような代替品を投入せず、なおかつ松屋ほど多種多様なメニューを用意していないすき家は、どうしても値下げによる客単価の下落は避けられない現象だということができます。
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