清順: 大きくわけて、2つありますね。1つは、植物業者さんから「桜の枝の長さは3メートル、○月にほしい」といった注文を受けたら、それを届けなければいけません。自社の農場や温室でたくさんの木や花を育てていて、その在庫の中から売ります。そこにない場合は、山に行って採る。山にもない場合は、どこかから仕入れたり、海外に行って採ることもありますね。
もう1つは、“設計士”のようなことをしています。「このスペースに、○○という花がほしい」という注文を受けて、納める。そうした仕事に創造性は必要ないですが、「このスペースをどうにかしてほしい。何かアイデアはないですか?」という相談を受け、いろいろな提案をさせていただく。こうした仕事は1人ではできないので、「フラワーデザイナーはこの人はいかがでしょうか?」といった感じで、プロデュースしていくんですよ。
土肥: 「これでいきましょう」と決まって、その花が海外にしかなければ、現地にまで足を運ばれるのですか?
清順: はい。ただ、海外に行って、目的の花を手にして、船で運搬して……となると、かなりの時間がかかる。なので、大量の在庫を抱えているんですよ。いつなんどきどんな仕事を言われても、できるだけ対応できるように。在庫を金額にすると、何億か何十億になるか分かりませんが、大量の花を所有しています。その在庫の中にないモノは、海外に行って調達する、というわけですね。
土肥: 「海外に行って調達」と簡単に話されますが、それって簡単なことではないですよね。「その花はタイにしかないので、じゃあこれから飛んで、2〜3日後には届けることができますよ」といった話ではないですよね。勝手に採って、勝手に持ち帰ったら、お上から怒られちゃいますから。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング