30代以上の読者にチェックしてほしいポイントは以下の3つです。もしひとつでも当てはまることがあれば、可及的速やかに対策を立てるべきです。
- 同期の中でポジションに著しい差がついている。
- 自分の上のポジションに他の部署、もしくは他社からの年下が就いた
- 企業の意思決定ができるプロセスに、自分は一切関与していない
1つ目はすぐ分かりますね。現在、差がついているということは、今後、その差を埋めることが難しくなります。「ポスト争いなど嫌だ、今のポジションが自分には適当な場所だ」と思っているのは勝手ですが、その考えは組織では通用しません。同期との差を埋めなければ、経験による成長も難しく、差は開くばかりです。すぐに「経験ができる場所」に就きたいと、各所にアプローチするべきでしょう。
次はもっと深刻です。そのポジションに就くべき人物が、適当だと思われていた年次にはいない、もしくは社内にも存在しないと、組織が認識しているという証拠だからです。少なくとも、あなたにはその能力がないと、突きつけられたと判断すべきでしょう。人には向き不向きがありますから、自分に向いているポジションに空きがないだけ、という前向きな判断もできますが、もっと焦ったほうがいい。組織から「必要ない」と言われる一歩手前であるという認識をするのがベターです。
最後は、極めて分かりやすいチェックポイント。最終的な意思決定は経営陣がしますが、その過程で多くの意思決定者が存在するのが企業の組織。一定の年齢に達して、組織の中にいるにもかかわらず、意思決定にまったく参加できていないという状態は、推して知るべし。今の状態では、いずれ最後通告が突きつけられる覚悟をしなければなりません。
チェックポイントに当てはまった人は何をしたらいいのか。社外でのネットワークづくりをとか、読書を積極的にし、セミナーなどに参加することで個人の能力を高めて……という話になりがちですが、このコラムでは、その対策を薦めることはしません。その手の対策で人材育成ができるのなら、企業はとっくの昔に手をつけているからです。事実、そういう投資は、山のように行われてきました。
必要なのは、ポジションに見合った経験と、その経験によって培われた能力です。ということは、裏を返せば『経験を積むためのチャンスを自分で獲得しなければならない』ともいえるのです。厳しいビジネス社会をサヴァイブするためにできることは、それほど多くない、と言えるでしょう。
面倒かもしれませんが、まずは早急に自分が就くべきポジションを探すところから始めましょう。そして、骨の折れることですが、積極的に“猟官運動”(通常、いい文脈で使われる言葉ではないですが)をするべきタイミングだと考えるのがベストな選択肢なのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング