父: これまでのマジトークを振り返りたいんだけどさ、最初に誘ったとき、ちょっとイヤそうな素振り見せてたよね?
娘: 正直に言うと、イヤだったよ。
父: どうして?
娘: だって、「お父さんと、いったい何を話すのよ?」ってなるでしょ。学校や部活のことは下校したらお母さんに話すから、べつにそれ以上言うことないんだよね。
父: でも、お父さんは、お前とお母さんの会話は聞いていないじゃないか。
娘: うん、でも面倒くさい。同じ話を2回も繰り返したくないの。
父: お父さんは、学校や勉強のこと、気になるから話しかけるんだけどな。
娘: そりゃ分かるけどさ、ドラマみたいに毎日事件はないよ。フツーに授業受けて、フツーに部活しているだけだから、わざわざ話すほどのこともないでしょ。
父: そのフツーなことでいいから、聞きたいんだってば(笑)。
娘: でも、お父さんは以前よく、「学校はどうだ?」とか、「最近どうだ?」って振ってきたでしょ。あの質問は雑すぎると思わない?
父: そう?
娘: あたしからしたら、「どうって……なにがよ?」ってなっちゃうし。
父: 質問の意図があいまいすぎる?
娘: うん。話題をこっちに丸投げしないでって思ってた。そういう質問の仕方をするってことは、娘を観察していないって証拠だよ。あたしをよく見ていれば、何に興味があるとか気づくはず。
父: うーむ、それは認める……。サオリのほうから、面白い話をしてほしがっていた部分はあったな。
娘: あたしが好きな柴犬とかなめこ栽培とか、他にも話のキッカケはあるでしょう? そういうところから来ればいいのに。大人の男の人が、女子中学生の立場になって考えるのは難しいかもしれないけど、想像力を使えば不可能ではないでしょ?
父: いや、でもそれは難しいぞ。
娘: お父さんだって、じいちゃんとばあちゃんの子供なんだから、子どもの立場は分かるはず。自分が親からされて嫌なことは、きっとあたしもそうだとは、なんとなくイメージできるでしょ?
父: うーむ、ぐうの音も出ない……。
娘: 要は、もっと工夫をしなさいってこと。押してダメならもっと押せじゃなくて、引くんだよ。拳銃で歯が立たない敵には、ミサイルをぶつけるとか、そういうことね。
父: はい、すみません…。
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