え? もう新車?──JR東日本が急ぐ、「新・山手線」投入のワケ杉山淳一の時事日想(1/5 ページ)

» 2014年07月11日 08時00分 公開
[杉山淳一Business Media 誠]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』、『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。 日本全国列車旅、達人のとっておき33選』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP



 新しい電車の導入は鉄道ファンでなくてもワクワクするらしい。普段は鉄道には興味がなさそうな私の友人たちも、2007年に京浜東北線でE233系が導入された時や、2013年に東京メトロ銀座線で1000系(関連記事参照)が導入された時は「新車に乗ったよ」などとツイートしていた。それだけ鉄道は生活に身近だし、とくに通勤電車は「ふだんと変わらない日常」の象徴でもあるだろう。だから新型電車の導入は「日常の大きな変化」といえる。

 そして東京に暮らす、あるいは通う人々にとって、山手線は日常の最たる存在だ。その山手線に新車がデビューするとなれば、自分で新車を買った時と同じくらいの大事件である(編注:異論は認めます)。メディアで報じられると、斬新なスタイルが話題になった。私はその報道を、大井川鐵道のトーマス試乗会(関連記事参照)の帰りに知った。先頭車の顔が何かに似てるな……と思ったら、このニュースを見ているiPhoneそのものだ。もう1つ、ワンダーシビックのハッチバックに似ていると思ったあなたは、たぶん私と同世代だ。

photo 山手線に導入予定の「E235系」電車(出典:JR東日本プレスリリース)

 そして「えっ、もう新車が出るの?」と思った。現在の山手線の電車「E231系」は2002年の登場で、10年ちょっとしか経っていない。その前の205系は1985年に登場、さらにその前、車体全体がウグイス色の103系は1963年だった。約20年間隔だった新車導入が、現在は約10年に短縮されている。

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