「撮り鉄」「乗り鉄」「時刻表鉄」「音鉄」「模型鉄」。とにかく鉄道の趣味は多岐に渡る。何でも「鉄」を付ければいいってモノではない……と思うかもしれないけれど、実際その通りである。適当に言葉をくっつけたら、ちゃんとその分野に詳しい人がいる。まさか「トイレ+鉄」なんて、と思ったら、ちゃんと列車や駅のトイレの写真をコレクションしている方がいらっしゃる。鉄道雑誌でもトイレ特集が組まれていた。
さて、そんな鉄道趣味分野について、私は2つの傾向に気づいた。「採集(コレクション)」と「狩猟(ハンティング)」だ。
採集はモノ集めである。これは多くの趣味に共通する。切手、骨董品、ミニカー、大金持ちは実物のクルマ……。鉄道分野では「きっぷ」「駅弁の掛け紙」「鉄道部品」などがある。生涯かけて集めておいて、死んだらどうするんだろう。棺桶に入れてあの世まで持って行くつもりだろうか。入りきれないぞ。という感想は愚の骨頂である。採集する人は「採集」そのものに本能的な快感を持っていて、その結果を眺めて快楽に浸るわけだ。現在の快感がすべてであり、未来はあんまり考えない。
狩猟は狙い撃ち、そして獲得である。射撃という趣味はあるし、シューティングゲームもある。狙ったモノを得るという意味では採集にも通じる。釣りは狩猟そのものが趣味だし、ハンターもそうだ。獲物をめがけて進んでいき、獲得する喜び。鉄道分野では「撮り鉄」が当てはまる。電車や踏切の音を録音する「音鉄」もしかり。撮影は「ショット」と言うくらいだから、もともと狩猟に通じる趣味といえる。
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