そんな状況で、上司であるあなたができることは何でしょう? 尊敬に値すべき仕事をし、誰もが認めるような行動ができれば一番いいのですが、それは一朝一夕には難しい相談です(努力をしなくてもいいという話ではないですが)。しかし、上司としての役割を組織から与えられているわけですから、それを少なくとも無難にこなさなければならない。
ということで、まずは「嫌われないこと」を目指すところから始めましょう。ポイントは二つ。
最初に取り組むべきは「部下の話を聞く」ことです。なんだ、そんなことかという声が聞こえてきそうですが、意外とこれができていないもの。部下が上司を尊敬できない理由の一つに、「人の話を聞かずに自分の意見を押し付ける」というものがあります。皆さんはどうですか。無意識にやっていませんか?
「老害という表現がピッタリかも知れません。自分の経験を話してくれるのはいいのですが、もう時代が変わっています。それでも普遍的な、ある種のエッセンスを抽出して話してくれれば、まだ救いがあるのですが」
これは、これからリーダーになるという世代の社員から聞いた上司評。上司のことを「あの人は」と言い続けていたのが、とても印象的でした。尊敬の念はまったく感じられない。ただ裏を返せば、丁寧に話を聞くだけで、少なくとも粗雑に扱われる上司にはならない可能性は大なのです。多くの上司は「一言いいたくなる」でしょう。そこをグッとこらえるだけで、評判が上がること請け合いです。
もう一つは「ビジネストレンドを勉強する」こと。尊敬されない上司のほとんどは、日常の業務ができない上に、最新の情報をキャッチアップできていないことが多い。このコラムを読んでいる皆さんは大丈夫でしょうが(オンラインのビジネス誌にまで目配りができているのですから)、ビジネスの現場で無知をさらしてしまう状態ほど、部下から嫌がられることはない。
さらに注意しなければならないのは、その情報を決して受け売りしないこと。知っていることはつい、ひけらかしたくなります。ビジネスハウツー書を読んだら、翌日には部下に偉そうに話したくなる。しかし部下から見ると、その行動そのものが「痛い」のです。
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