本連載は、本田哲也、田端信太郎著、書籍『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から一部抜粋、編集しています。
映画『アナと雪の女王』は、なぜ1000万人を動かしたのか?
LINEは、なぜ4億ユーザーの心をつかんだのか?
誤発注されたプリンは、なぜ完売したのか?
インターネットの普及などにより流通する情報量が爆発的に増える一方、生活者はネットやHDDレコーダーなどを活用し、自分で情報を選択するようになっています。そんななか、旧来のマス広告やメディア露出では、昨今、人は動かなくなっています。
大々的な広告キャンペーンやメディア展開をせずに人を動かすことに成功した事例を、1000人、1万人……、1億人、10億人と、スケールごとに分析。生協のプリン誤発注からアナと雪の女王、LINEまで、そのヒットの秘密を探っていきます。
広告・メディア業界人はもちろん、企業経営者、マーケティング担当者も必読の一冊です。
日本の秋を彩るイベントとしてすっかり定着した感のあるハロウィン(※1)。10月末になると各地では仮装パレードやイベントが開催される。
日本でも最大級のハロウィンイベントとして知られる「カワサキハロウィン2013」のパレード参加者は約3000人にも及んだ。このパレードは仮装コンテストも兼ねており、その圧倒的な人数と仮装クオリティを一目見るべく、沿道には毎年約10万人を超える観衆が訪れる。
ハロウィンが日本に上陸したのは1970年代のことだ。キデイランド原宿店(※2)が1970年代から10月のシーズンイベントとしてハロウィン・グッズを店頭において販売に力を入れるようになり、1983年10月には販売促進の一環としてハロウィン・パレードを企画。
1997年には、東京ディズニーランドがハロウィン仮装パレードをアトラクションに取り入れる。くしくも1997年は、世界的ベストセラーにもなった「ハリーポッター」(※3)シリーズの第1巻が出版された年でもあった。魔法使いに対する関心の高まりも追い風となり、ハロウィンの知名度は急速に広がり、現在に至る。
2012年11月に、株式会社ドゥ・ハウスが20〜59歳の男女を対象に行った「ハロウィンにおける仮装(コスプレ)実態把握調査」(PDF)によれば、2012年の仮装実施率は4.2%。仮装実施率がもっとも高いのは女性30代(11.3%)、次いで女性20代(6.0%)。前年からの変化がもっとも大きいのは男性30代と女性30代で、前年からいずれも2.6ポイントと大きく伸びていた。
パーティーコスチュームやパーティーグッズの専門会社で業界最大手のクリアストーンでは、ここ数年にわたり前年比1.2倍のペースで売上げ規模が拡大しているという。「ドン・キホーテ」「東急ハンズ」「ロフト」などの量販店にコスチュームの常設売り場が増えているうえ、ハロウィンのシーズンには量販店の売り場が大きくなり、フロアの一等地に特設コーナーが設置される。
また、ハロウィンの時期になると、街に現れた面白仮装写真や目撃情報がTwitterやFacebookに続々と投稿、共有される。NECビッグローブ株式会社の調査によると、2013年10月の月間「ハロウィン」ツイート数は2012年の65万件に対して、約2倍の113万件。さらに、一般社団法人日本記念日協会によると、今年のハロウィン市場は1000億円を超える見通し。ホワイトデー(約640億円)をすでに超え、バレンタインデー(約1300億円)に迫る勢いだ。
ざっくり言うと……
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