配って、売れて、パクられて――ポッキー海外物語仕事をしたら“インドネシア”で売れた(7/7 ページ)

» 2014年10月08日 08時05分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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日本の常識がなかなか通じない

土肥: 話を聞いていると、海外で商売をするのは大変ですね。グローバル企業とも戦っていかなければいけませんし、現地企業とも戦っていかなければいけません。また、ちょっと売れ始めると、すぐに類似品が出てくる。こうした厳しい環境の中で、今後どういう方針で戦っていくのでしょうか?

中原: 基本的には、グローバル企業と勝負しなければいけないと思っています。ポッキーの認知が高まれば高まるほど、類似品は“真似たモノ”として認知されていきますから。そこからどんどん差をつけていけば、淘汰されていくのではないでしょうか。

 一方、類似品が出てくるというのはマイナス面ばかりでもないんですよ。スティックタイプのお菓子が増えてくると、スティック市場ができるかもしれません。いままでなかった市場なので、その中でトップに立つことができれば、さらに売り上げアップにつながるのかなあと思っています。

 繰り返しになりますが、とにかくライバルが多いので、日本の常識がなかなか通じないんですよ。

土肥: どういうことでしょうか?

中原: 日本で経験して、通用したノウハウ……成功体験をそのまま持ち込んでもあてはまらないことが多いですね。今の時代は、変化のスピードがものすごく速いので、それに対応していかなければいけません。意志決定や施策などに遅れが出ると、海外で生き残るのは難しいでしょう。

 他社よりも先行してやっていくには、とにかくスピードが大切。しかもそれを続けなければいけません。インドネシアでの初年度の売り上げは5億円でしたが、それで満足しているわけではありませんので。

土肥: 全体の目標は、2020年に1000億円ですからね。海外に行った日本人がお土産にポッキーを買って帰る、逆に日本にやって来た外国人がポッキーを買って帰る――こうしたサイクルが生まれると……。

中原: いい感じですね。

(終わり)

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