アクション言語化の可能性は、無限大です。この表に収められたものはあくまでも一例にすぎず、もっとよい言い換えをあなたがつくり出す可能性が常にあるということです。つい使ってしまう「ふわふわ言葉」と、それをアクション言語化してみた実例の一覧を載せておきます。なお、これらの言葉はすべて、次の2つの観点から選びました。
| ふわふわ言葉 | アクション言語 |
|---|---|
| 分かる | 自分ひとりでそれを(再現)できる |
| 新しい | これまでにない組み合わせ |
| 信頼 | 確認の数が少ない |
| 考える | 過去の経験を思い出したり、目の前にあるデータを見たりしながら、まずは書けるだけ選択肢を書いて、そこから選ぶ |
| 気づく | 目の前のことと、いままでに経験したことを比べて、一番似ているところや異なるところを探す |
| 働く | 目的を確認して、その達成のために動き、結果を出す |
| 問題解決 | 不利益を引き起こす一番の原因を特定し、それを活かしてプラスを生み出す |
| 成長する(学ぶ) | 以前はできなかったことが、いまはできるようになっていること。また、同じミスを二度と繰り返さなくなること |
| シンプル | 目的に沿って、優先順位の低いものが全部削られていること |
| ポイントをつかむ | これだけは外せないことをつかむ |
| 伝える | こちらが求めるリアクションを相手が返すのを確認する |
| 行動力 | すぐすること |
| 積極性 | ほかの誰かに言われる前に自分からすること |
| 苦手 | 対象となるものとの接触がないか不足しており、よく知らないこと |
| 教える | 相手が自分ひとりでそれを再現できるようにする |
| 改善(工夫) | 同じことを繰り返さず、より小さなアクションで目的達成へとより大きく近づこうとすること |
| がんばる | 改善(工夫)をし続ける |
| 意志力 | 目的達成まで、改善を繰り返しながら継続すること |
| 全力 | 全速力ですること |
| 集中力 | 目的達成まで全速力を継続・反復する力 |
| 誠実さ | 相手によって言動を変えないこと。言っていることとやっていることが一致すること |
| 謙虚 | 人の話は黙って聞き、言われたことはまずやってみること |
| チームワーク | 個々がばらばらに取り組むよりも、一緒に取り組んだほうが、目的達成へより早く確実に近づくこと |
| できる | 同一もしくは類似のことをやったことがある |
| できない | やっていない。または、同一もしくは類似のことをやったことがない |
| 使える(頭がいい) | 目的を理解し、最適な手段を選択できる |
| まとめる | それを見ればミーティングや学習の内容をただちに再現できるようにする |
| 実行する | 結果をもたらす行動をする |
| 組織 | ひとりでできることの総和以上の成果を出すことを目指す、共通の目的達成のための集まり |
| 管理 | 生産性の高い状態にあるものは伸ばし、生産性の低い状態にあるものは改善するかやめること |
| 自己管理 | 自分の1時間、1日、1週間、1カ月、1年の時間の使い方を決めること |
| 生産性(効率) | 得られた利益÷投入した資源 |
| 関係(つながり) | 接触の頻度によって測られる間柄 |
| 好き | その人や物と接する時間を長くしようとする、もしくは接する頻度を上げようとする |
| 愛 | 何の条件もつけずに与え続けること |
| 仲間 | 同じ目的の達成を目指して、全力を尽くす間柄 |
| 友達 | 時間をつくって会う相手 |
| 知り合い | 時間があったら会う相手 |
| アマチュア | できなければやめる人 |
| プロ | できるまでする人。一度したことを再現できる人 |
| 意思決定 | 目的を定め、それを達成するための最適な手段を選ぶこと |
| イメージ | こちらが発信した情報ではなく、相手が受け取った情報の総和 |
| エゴ | 自分が目的を達成するために、他者に不利益を強いること |
| 心づかい | 相手が知らないところで相手の利益になることをすること |
| 技術 | 自分と相手に利益をもたらすことのできる方法 |
| 厳しい(態度) | すべての評価にはっきりとした根拠がある |
| キーマン | 起点となって新たな人のつながりが生まれる存在 |
| 具体的 | 数値もしくはそれに代わる客観的指標が明示されており、達成・未達成の確認ができる |
| 明確 | 誰が実行・確認しても同じ結果が得られる |
| 決断力 | 目的に沿ってすぐ選択し、行動に移すこと |
| 現在 | 過去の結果 |
| 未来 | 現在の結果 |
| 合理化 | 目的達成に不要な部門や部分を削ること |
| 時間を守る | 5分前に完了させる |
| 資産 | 収入源になる財産 |
| 負債 | 収入源にならない財産 |
| 投資 | 収入源になる財産(資産)を購入すること |
| 消費 | 収入源にならない財産を購入すること |
| 自信 | 経験によって蓄積される「やったらできた」という記憶(≠「やればできる」という気持ち) |
| 目的 | 「なぜ(何のために)それをするのか」に対する答え |
| 目標 | 目的達成のために設定する、数値や日付を入れた到達点 |
| 手段 | 目的達成のために列挙された方法のうち、最適と信じて選択されるもの |
| 成功 | (1)目的の達成 (2)成長(過去にできなかったことができるようになること)の達成 |
| 成果 | 目的達成のために選択した手段を用いた結果もたらされる、数値などで明確に確認できるもの |
| 失敗 | (1)成長をもたらさない体験 (2)今後データとして活用できない体験(≠目的の未達成) |
| 実力 | 積み重ねてきた成功(目標達成、成長)の数×体力 |
| やる気がある | 目標達成のために自ら行動し、達成・未達成にかかわらず、すべてから学ぶ |
| 充実感 | 目標達成に向けて全力を尽くした後にやってくる心の状態 |
| やりがい | 自分が充実感を得ると同時に、相手からも感謝されるときの心の状態 |
| 集中 | 最優先事項ひとつに絞り込むこと |
| 心配 | 体を動かさずに頭であれこれ考えること |
| 不安 | 行動とそれによって得られる情報が不足しているときの心持ち |
| 誠意 | 感謝や謝罪の気持ちを形あるもので示すこと |
| ストレス | 期待と現実のギャップ |
| チェック | 目的達成に必要不可欠なもののみに絞り込んだリストをつくり、それに印を入れること |
| 柔軟性 | 目的達成のために最適な手段を、前例や常識に縛られずに考える(≒列挙と選択をする)こと |
| 提案 | 相手が最小のアクションで目的達成に最大に近づくようにするためのアイデア |
| 努力 | 目的達成に最適な手段を選択し続けながら、改善を積み重ねること |
| 才能 | 努力を継続する力 |
| 判断力 | 状況の変化に対して、過去の経験との類似点と相違点に基づいて、ただちに変更する力 |
| 優秀 | (1)成長力がある≒同じミスを繰り返さず、ただちに改善する (2)提案力がある≒最小のアクションで相手を目的達成へと最大に近づけることを目的として、相手に対してリアクションができる (3)使える≒目的を理解し、最適な手段を選択できる |
黒川裕一(くろかわ・ゆういち)
ひなみ塾塾長。1972年生まれ。熊本市出身。
東京大学法学部卒業後、22歳で渡米。テネシー州立メンフィス大学大学院にて助手(コミュニケーション学・映画専攻)を務めつつ映画制作に従事し、現地映画祭にて入選。
帰国後、故郷の熊本にて「自ら気づき、仲間と学び、社会で動く」ことのできる人財の育成を目的に活動。基幹事業の1つであるコミュニケーション講座「ことばの学校」にて、頭で分かり体で実行できる言葉「アクション言語」の指導を開始。
2005年、その実践の場の1つとして「映画革命HINAMI」プロジェクトを始動。
2007年、ことばの学校の進化形として、私塾「ひなみ塾」を設立。
ストレスを引き起こす原因は「言葉のすれ違い」にアリ?
「分かる」は意外と分かりにくい
部下が指示を理解してくれないのは、あなたの能力不足かも?
43.1%の人が「自分の能力を引き出してくれる上司に出会ったことがない」
なぜ管理部門は“指示待ち”になるのか?
社内コミュニケーションに悩んでいますCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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