年末のこの時期、忘年会などで帰りが遅くなり、タクシーを使う機会も増えてくる。最近では乗車後に「シートベルト着用のご協力をお願いします」と運転手から促されるようになってきた。
ドライバーはご存じと思うが、運転席や助手席だけではなく、後部座席(以下、後席)のシートベルトも着用を義務づけられているためだ。後席のシートベルト着用が義務化された2008年から6年が過ぎた。「後席でもシートベルトをする」という習慣は定着してきているのだろうか。
12月11日、日本自動車連盟(JAF)は後席シートベルトの実情が分かるインフォグラフィック「視覚後席シートベルト“3人に1人”の低い着用率」をJAFサイト内で公開した。
これは警察庁と合同で実施した「シートベルト着用状況全国調査2014」(参照リンク、PDF)の結果を元にして作成したもので、交通量が増え交通事故が増える年末年始を前にしたこの時期、公開によって後席シートベルトの着用を促す。
調査によると、一般道路での後席シートベルトの着用率は35.1%とわずか3人に1人。高速道路上でも70.3%で3人に2人しか着用していない。運転席の98.2%、助手席の93.9%に比べ、非常に着用率が低いことが分かる。
運転席や助手席に比べ、後席は安全だと考えられているが、非着用で事故にあった場合、致死率は着用時の4.5倍。衝突の勢いで車内の同乗者にぶつかり自分だけでなく同乗者にも致命傷を負わせることになったり、車の横転時にサイドドアの窓から車外に放出されたりすることもある。多少窮屈に感じたとしても「自他含めた安全確保のためにも全席でのシートベルト着用が必要」とJAFでは呼びかけている。
なお、JAFは公開したインフォグラフィックをSNSなどでユーザーが拡散し、できるだけ多くの人が目にしてシートベルト着用について見直すきっかけになればと期待している。
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