「忘年会で嫌われる上司」にならない方法サカタカツミ「新しい会社のオキテ」(2/3 ページ)

» 2014年12月15日 06時15分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]

 逆に、部下や後輩が仕事の話を切り出してきたら、それを避ける必要はありません。彼らの話も上司であるあなたからみれば「自慢話」か「愚痴」の類にすぎませんが、彼らはあなたに話したいのです。それにはしっかりと耳を傾けるといいでしょう。聞いてくれる、というだけで、あなたに対する部下からの信頼感は増すはずですから。

「あるべき論」は語らない。そして、上からかぶせない

 仕事の話を切り出した部下や後輩に対して、つい口にしたくなるのが「あるべき論」です。「サラリーマンたるもの、こうあるべきだ」という話であったり、「人が成長するためにはかくあるべきだ」と人生訓のようなものを話したり。あなたも無意識に話したことがあるかもしれませんし、自分の上司がそれだ、と思わずうなずく読者の方もいるでしょう。

 しかし、あるべき論は慎重に用いるべきです。あるべき論を振りかざす上司の中には「理想的なことを言うだけで、実際には自分はなにもできていない」というタイプが少なくないのです。仮に部下があなたに意見を求めたとしても、こうあるべきだと断定する必要はありません。自らの経験から「自分はこんな風に考えている、よかったら参考にしてほしい」というだけで十分です。

 さらに、部下が愚痴を言ったり、失敗談を語ったりしている時に「いや、その程度のことなら、わたしの経験のほうがはるかに上だよ」と、話を「かぶせて」しまう上司を、忘年会ではよく見かけます。余談ですが、上司が部下の愚痴や失敗、成功談に上から被せるというシーンは、忘年会以外の酒宴ではあまり見かけない気がします。一年を振り返るタイミングでの席だからという特徴なのかもしれません……という、個人的な感想はここまでにして。

 部下や後輩よりも自分の経験のほうが上であると上司が言うことのメリットはなんでしょうか。考えてみれば分かるでしょう。何もありません。部下にしてみれば、「話を上司に持っていかれた」「自分の経験を軽く扱われてしまった」と思うだけです。その程度のことは気にしなくていいというメッセージを発するために、部下の話にかぶせたのだとしたら、上司のその気持ちはいつまでたっても分かってもらえないでしょう。

ことさら上に立とうとしない、主役になりたがらない

 忘年会という場がそうさせるのかもしれません。会場はそれほど広くありませんし、大勢の人たちがそれぞれに話をする場所なので、声を大きくしないと自分の意思が周囲に伝わらなくなる。酒が入っていることもあって、喧騒はさらにヒートアップ。そうなると、より「いい話だと自分で思い込んでいる」エピソードを話して周囲の注目をひきつけたり、最近読んだ本やFacebookのフィードで見かけた「有名な誰かによる名言」を持論のように紹介したりして、話の中心になろうとしてしまうタイプの人が、上司には多い。

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