クリエイティブディレクター。就活や転職関連のサービスをプロデュースしたり、このような連載をしていたりする関係で、そちら方面のプロフェッショナルと思われがちだが、実は事業そのものやサービス、マーケティング、コミュニケーションの仕組みなどを開発するのが本来の仕事。
直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」や「MakersHub」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』、『就職のオキテ』。この連載についても、個人的に書いているブログでサブノート的なエントリーを書く予定。Twitterアカウントは@KatsumiSakata。
最近、いろいろな企業に呼ばれて「組織内での人材育成」という観点でお話をする機会があります。改めてというのも変ですが、このあたりの話題がホットになっているようで、人事担当者の皆さんとの議論も熱いものになりがち。そんな中で、ある企業の担当者が、こんな話をしてくれました。
「育成しても無駄な人と、そうでない人がある程度分かってきたので、今後は無駄な人に対しては、レッドカードを渡して、一定期間内に変化がない場合は、退職することを推奨するというオペレーションにできないかな、と考えています」
怖い話ですよね。法律などの問題があるので、実際にはそんなに露骨なことはできないのですが、企業は組織内の「無駄」を、極端になくしたがっている様子がうかがえます。贅肉を削ぎ落として、筋肉質な組織を目指したいということなのでしょう。そこで、私は次のような質問をしてみました。
「仕事ができない人と人物としてイマイチな人、どちらが先に辞めてほしいと考えますか?」
この質問、ほとんどの企業が同じ回答でした。そう、組織で働くということにおいて、重要なことは何かという話にも、当然のことながら通じているのです。今日はそのあたりのお話を。
ある企業の人事担当者は、こう断言します。
「仕事ができないだけなら、教育や育成でいくらでも改善できると考えています。当然、適材適所がありますから、その人の能力や志向、向き不向きを正確に知る必要はあります。それでも組織の中での仕事で『絶対にこの人にしかできない』というスペシャルなワークは、実はそれほどありません」
だから一定のトレーニングを施せば、ある程度の水準の仕事はできるようになるというのです。しかし、問題は、そのトレーニングの効果がない人だといいます。
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