人事担当者と話をしていると、多くの人たちが「『個の時代』と言い過ぎた反動が、今きているのかもしれません」と口を揃えます。確かに、新卒採用を始めとして、企業が人を迎え入れる場所でのメッセージには、個の力を最大限発揮して欲しいと大きく掲げてあります。しかし、それは正しく言えば「私たちの組織にとって、目に見えて貢献できるように」個の力を発揮してほしいという意図に他なりません。しかし、他ならぬ企業の人事担当者自身が、それを誤解してしまった風潮が、ここしばらくありました。
確かに、個の成長がなくては組織自体も成長しません。しかし個の成長を待った結果、企業の成長のスピードが鈍化してしまう状況なら、そこに手を入れたくなるのは当然です。さらに、個の成長を待つという行為そのものを止めてしまいたくなるのも、仕方ないのかもしれません。
組織で働くということ。――シンプルなお題ですが、だからこそ、議論が分かれることになります。こう書いてしまうと「社畜乙」的なフレーズで全否定する人たちもたくさんいるでしょう。けれども、個の力だけで生きられるという人はほとんどいません。だからこそ、ひとりひとりが、割と真剣に考える時期にきているのではないか。加速化する企業の動きを見ていて、私はそう感じています。
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