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» 2014年12月16日 08時00分 公開

「ネット世論」を分析しても、選挙の結果は“逆”になる理由烏賀陽弘道の時事日想(3/5 ページ)

[烏賀陽弘道,Business Media 誠]

有権者数だけで2.95倍の開き

 論より証拠。まずは単純な数字をお見せしよう。そもそも、ネットはどの年齢層に普及しているのか。総務省の統計(2011年末)から引用する。

20−29歳 97.9%

30−39歳 95.8%

40−49歳 94.9%

50−59歳 86.1%

60−64歳 73.9%

65−69歳 60.9%

70−79歳 42.6%

(出典:総務省)

 大方の予想通り、20〜49歳で普及率はほぼ飽和している。が、60歳を過ぎるとがくんと下がる。ネットは「20〜50歳代のマスメディア」と考えられる。非老人のメディアと呼ぼう。

 一方、投票率となると、この年齢との相関関係が反転してしまう。やはり総務省の統計から(2012年衆議院選挙、PDF)

20−29歳 37.89%

30−39歳 50.10%

40−49歳 59.38%

50−59歳 68.02%

60−69歳 74.93%

70歳以上 63.30%

 投票では、60歳以上の4分の3が投票に行くのに、20−29歳は60%強が行かない。20歳代と比べると、60歳代は約2倍投票に行く率が高い、ということになる。

 これだけでも大差なのだが、さらに選挙では大差が開く。日本は「若者が少なくなり、高齢者が多い」という「少子高齢化」の人口ピラミッド構造を持っているからだ。話を単純化するために、例として公益法人「明るい選挙推進協会」が全国の186選挙区(2012年衆議院選挙。総有権者数41万3368人)を抽出した調査を使おう。最も投票率が高い60歳代と、最も低い20歳代を比較してみると、有権者数だけですでに2.95倍の開きがある(ちなみに、選挙区の有権者数による一票の格差では2.3倍で最高裁が違憲判決を出している)。

20−29歳 2万4881人

60−69歳 7万3329人

 これに投票率をかけてみる。つまり「実際に投票に行った人数」である。約5倍と、さらに差が開く。

20−29歳 1万1024人

60−69歳 5万4949人

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