悪魔VS天使シリーズは、1992年にいったんの終了を迎えた。その後、女児向けの「ビックリコ」などの関連シリーズを販売したが、以前のようなヒット連発とはいかなかった。
そこで満を持して1999年に発売したのが、悪魔VS天使シリーズとは異なる見せ方で、現代風にアレンジした「バグ悪魔VSギガ天使シール」シリーズである。翌年に放送開始したテレビアニメ「ビックリマン2000」と連動したこともあり、「新たな世代のファン獲得にも寄与した」と本原氏は力を込める。実際、ビックリマンのファンは、80年代にシール収集していた世代と、ビックリマン2000の世代に大きく分かれるそうである。
2000年代に入り、悪魔VS天使シリーズの20周年を記念した「ビックリマン 20th ANNIVERSARY」(2005年)や、「ビックリマン 21st ANNIVERSARY ひかり伝」(2006年)、「ビックリマン プロ野球チョコ」(2006年〜2008年)、ソーシャルゲーム(主にSNS上で行われるオンラインゲーム)と連動した「ビックリマン伝説」(2012年)などを矢継ぎ早に発売した。
このように新商品を積極的に出す一方で、課題も顕在化していた。ビックリマンというブランドの最大の強みは、かつて一大ブームを築いたときに小学生だった30代〜40代前半のコアなファン層がマニア的にずっと買い続けていることだ。実はそれが弱点にもなったのである。
「例えば、復刻版であるビックリマン伝説を出したとき、昔からのファンは喜んで買ってくれたが、それ以外の購買者はわずかだった。ブランドが高齢化しており、ビックリマンの伝承が若い世代にできていなかった」(本原氏)
顧客拡大に向けて若年層の取り込みが喫緊の課題だった。「いかに若者の心をつかむか」――。社内でも議論した末、2013年に打ち出したのが、アイドルやマンガ、ゲームなどとのコラボレーションシリーズである。
初音ミクとコラボした「ミックリマン」を皮切りに、アイドルグループのももいろクローバーZとの「ももクロマン」、漫画「北斗の拳」との「北斗のマン」、ゲーム「モンスターハンター」との「ビッ狩りマン」と、新商品を次々と出していった。
特に反響が大きかったのが、ももクロマンだという。20代女性をはじめ、今までの客層とはまるで違う人たちが商品を買い求めたのだ。同時に、ソーシャルメディア上などで「ビックリマンって何?」「ゼウスってどういう意味?」といった具合に若者が反応を示したのである。「コラボシリーズによってビックリマンの間口が広がり、10〜20代の購入者が急増した」と本原氏は振り返る。
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