土肥: ドーナツとコーヒーは相性がいい、ドーナツと水は相性が悪い――。なんとなく相性がいいモノ、よくないモノは分かるのですが、味覚センサーのデータを使って、相性のことについて教えていただけますか?
鈴木: 分かりました。例えば「お肉(ステーキ)には赤ワイン」とよく言われていますが、それはなぜだと思いますか?
土肥: 肉のなにかと赤ワインのなにかのバランスがとれているんでしょうね。
鈴木: 正解は「赤ワインの苦味」と「肉の旨味・甘味」のバランスがとれているから。互いに主張しすぎることなく、互いにおいしさをひきたてあっているんですよね。結果「相性がいい」がいいんですよ。
次に、赤ワインと魚(白身魚)の相性を分析しました。肉に比べて、魚はそれほど味が強くありません。そうすると、赤ワインの苦味が魚の旨味を少し消してしまって、結果的に赤ワインの味が勝ってしまう。味の濃いモノに慣れたときには、次も味の濃いモノを合わせないと、人間というのは適応するのが難しいんですよね。
肉と赤ワインの相性度は94.0%ですが、魚と赤ワインだと75.1%まで落ち込んでしまう。しかし、魚と白ワインは97.0%と非常に高くなりますね。
土肥: 肉と赤ワインのように、セブンのドーナツとコーヒーは相性がいいわけですね。
鈴木: セブンは相性を重視していますが、ミスドは違う戦略だと思うんですよ。
土肥: どういうことでしょうか?
鈴木: ドーナツをおいしく食べてもらうために、コーヒーはあくまで“引き立て役”に徹しているだけ。ドーナツの味に自信があるので、とにかくドーナツで勝負。といった姿勢がうかがえますね。
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