本記事は参考となる情報提供のみを目的としたものです。実際の申告などにつきましては読者の判断と自己責任でお願いいたします。
YouTubeで最新の小物を面白おかしく紹介する「YouTuber」、そしてブログに独自の視点での記事を書き続け、自分のメディアを運営する「プロブロガー」。どちらも立派な商売です。YouTubeだけ、ブログだけで生きていくのは大変ですが、個人事業主として立ち上げたWebサイトにAmazonやGoogleのアフィリエイトを貼り付けているという人も多いはず。
とはいえ、AmazonもGoogleも外資系企業。毎月の支払明細が届くわけでもないし、源泉徴収されているわけでもありません。この会計処理ってどうしたらいいんでしょうか。教えて、木村先生!
木村先生: カリスマブロガーともなると、かなりの額が入金されるようですね。
――ですね。私もカリスマブロガーほどではないですが、毎月ちょっとだけ売上があります。でも、ほとんどの月で振込最低額を超えないので、入金は3カ月に1度のペースです。
木村先生: なるほど。ところで、売上はちゃんと記録していますか?
――もちろんです。例えば1月に振り込まれた分は、こんな感じで記録しました。
2015年1月25日(入金日)
普通預金 10000円/売上 10000円
木村先生: ちょっと待って。この「10000円」っていつの売上かしら?
――2014年10月分から12月分ですね。12月はクリスマスでもうかったんです!
木村先生: うーん、これはダメ! 売上が振り込まれたタイミングで記録するのはアウトですよ。
――えっ、どういうことですか?
木村先生: その「10000円」は、10月から12月分の報酬です。会計処理は「発生時」に記帳するのが大原則。だから、毎月ちゃんとレポートを見て、それぞれの月の末日に報酬額を記帳しなくてはなりません。入金時に処理するのはダメなのです。
――でも毎月のレポートを確認するのは面倒くさいんですよね。
木村先生: 最近ではアフィリエイト収入のある人が増えてきました。ですから税務署も、ITやアフィリエイトに詳しい「サイバー調査官」をたくさん育てています。彼らの目はごまかせませんから、痛い目を見る前に毎月きちんと記帳するクセをつけましょう。
それからもう1つ。調査官は年末の数字をきびしくチェックします。12月に多額の報酬が発生したのにもかかわらず入金時の1月に付けていると、売上金額を不正に隠したと受け取られてもおかしくはありません。
――あっ、前年の売上を翌年に付け替えて所得税額を低くしたと見られるかもということですね。では、どうやって記帳するのが正解でしょうか?
木村先生: アフィリエイト売上の仕訳をお教えしましょう! 先ほど言ったとおり、売上は月末にその月の数字を記録します。しかし、この時点では手元に現金があるわけではないので、「売掛金」もしくは「未収入金」として計上します。
今回の場合は、10月が1000円、11月が2000円、12月が7000円だったので、まずこの仕訳を登録します。
2014年10月31日
売掛金 1000円/売上 1000円
2014年11月30日
売掛金 2000円/売上 2000円
2014年12月31日
売掛金 7000円/売上 7000円
木村先生: そして、この売上が2015年1月に入金されたときに、売掛金(未収入金)の合計金額から普通預金に振り替えます。
2015年1月25日(入金日)
普通預金 10000円/売掛金 10000円
木村先生: 特に決算の端境期は、税務署も厳しくチェックします。売上が上がったら、必ずその月に計上するのが重要ですよ!
2000年に木村税務会計事務所を設立。ブロガー税理士の草分け的存在。セミナー講師や執筆について多数の実績があり。カフェ好きが高じてオフィスをカフェ風にしてしまったほど。ブログでは税金に関するトピックだけでなく、カフェラリーのデータも掲載中。
事務所名:木村税務会計事務所
住所:〒158-0097 東京都世田谷区用賀2-11-10 ケヤキアパートメント201
公式サイト:KIMUTAX.com
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