ユニクロとZARAの違いは? そして世界トップ企業の特徴巨大アパレルの強さ(前編)(1/4 ページ)

» 2015年01月22日 13時20分 公開
[ふじいりょう,Business Media 誠]

 1月8日に発表した2015年8月期第1四半期決算で計画を上回る増収増益となったファーストリテイリング。海外ユニクロ事業の売上高は47.3%増となっており、特にアジア地域での出店が好調だ。

 現在、アパレル企業としてはZARAを擁(よう)するインデテックスグループや、H&M、GAPに次ぐ世界第4位の規模となっており、柳井正会長兼社長が掲げる2020年売上5兆円という目標を達成してトップの座を狙っている。

 一方で、スペインを本拠に世界88カ国へ出店するZARAも、東アジアやブラジル、東欧への進出を拡大。国外売上比率が8割以上とグローバルブランドとしての地位を確立しており、年率10%の安定成長を目指している。

 ベーシックカジュアルに強みを持つユニクロと、トレンドファッションを全世界で展開しているZARA。売上規模でユニクロがZARAを越えることが実現可能なのか。

 ブログ『ファッション流通de業界関心事』を運営し、2014年11月に著書『ユニクロ対ZARA』(日本経済新聞出版社)を刊行した流通コンサルタントの齊藤孝浩氏に2つのブランドの特徴などを含めて話を聞いた。前後編でお送りする。

流通管理が重要

流通コンサルタントの齊藤孝浩氏

――アパレル企業を見ていると、季節ごとにアイテムを入れて替えていますよね。その準備にかかる期間や販売サイクルがあるので、流通管理が重要になってくるのではないでしょうか?

齊藤: アパレルビジネスは、気温に左右されるものなので、春夏秋冬のシーズンで賞味期限があるところが特徴です。1年が52週間で、ワンシーズンが12〜13週間。そこからセールを差し引いた8週間くらいが、本当の意味でのファッションの旬の期間になります。

 そこに向けて1年前から準備をして、半年から4カ月前までには全ての発注を終えてシーズンを迎えなければならないのですが、その時点でお客さんの気持ちを読み切るのは非常に難しいので、売れるモノと売れないモノのばらつきが必ず出てしまう。そこで売れなかったモノが、バーゲンセールで値下げして処分をする。それを一般的なアパレル企業は繰り返しているわけです。

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