広報部: ここで歴史の話をさせてください。弊社の設立母体は大同薬品工業(本社:奈良県)で、創業当初は置き薬を営んでいました。ある日、ガソリンスタンドで置き薬の横に缶コーヒーを置かせてもらったところ、売れ行きが好調でした。その後、薬品部門と飲料部門に分けて、ダイドードリンコという会社が1975年に創業しました。
なぜ歴史を振り返ったかというと、置き薬と自販機事業はよく似ているんですよね。
土肥: どういう意味でしょうか?
広報部: 置き薬は先に薬を渡して、売れた分だけを補充してお金をもらう。つまり、お客さんとの“信頼関係”がなければ、商売が成り立ちません。自販機も仕組みは同じで、売れた分だけを補充してお金をもらう。
土肥: なるほど。利益は後からついてきますよ、というわけですね。
広報部: はい。基本は「置く」なんですよ。商品やツールは変わっても、考え方は同じ。
土肥: お客さんとの信頼関係を重視するビジネスが海外で通用するかどうか、という意味もあるわけですね。海外に行くと、むしょうに缶コーヒーを飲みたくなるときがあるんですよ。そういうときには、日本食を扱っているスーパーに行くのですが、売っていないところもあります。でも日本の自販機が普及すれば、海外でも苦労せずに飲むことができるようになりますね。
広報部: ですね。
土肥: 海外で仕事をしていると、いろいろな苦労があると思うんですよ。言葉の違いだけでなく、さまざまな違いがあるので精神的につらいなあと感じるはず。そうしたときに、近くにある自販機で缶コーヒーを飲むと、このように感じるかもしれません。
「あ〜、やっぱり日本っていいなあ」と。
(終わり)
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