日本人の多くは、外国人に和食が人気だと聞くと、「日本の繊細な味がうけている」とか「職人技が高く評価された」なんて理由は連想するが、実は外国人が和食に求めているのはそんなことではない。
2014年3月にジェトロ(日本貿易振興機構)が発表した世界6都市で、3000人を対象にどの国の料理が好きかというネットアンケートを実施したところ、日本料理がトップになった。好きかどうか聞いているのだから、「味が好き」と答えるのは当然で、これはどこの国の料理でも変わらないのだが、すべての国の人が挙げた日本料理だけに見られた特徴がある。
それは「健康に配慮」(24.1%)という点だ。
といっても、別に寿司や天ぷらの成分などを気にしながら口にしている外国人などめったにいない。ギトギトの油をつかっていない、生魚を食すことから「なんとなく体に良さそう」というイメージがある。つまり、世界では「日本料理=健康食品」みたいな位置付けなのだ。政府をはじめ、「日本の和食を世界へ発信」なんて各社いろいろやっているが、いまいちブレイクしないのはこのヘルシーさの訴求が弱いからだ。
そこで「機能性表示食品」はどうだろう。機能をうたう食品や成分が含まれた日本料理ならば、その相乗効果によって、世界が抱く「ヘルシーな日本料理」というイメージはより確固たるものになっていく。まさしく成長戦略にふさわしい規制緩和ではないか。
食品が機能をうたう。確かに国民から見れば、たいした変化ではないかもしれないが、役所からすれば、トクホのような認可制から「企業の自己責任による届出制」に踏み切ったというのはかなり大きな決断だったはずだ。次は民間の番である。
小さな変化もアイディアと工夫次第で、世界を変えることができる。機能性表示制度の今後の可能性に注目したい。
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