松井氏、ヤンキースのフロント入り――なぜ契約期間は「1年」だったのか赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

» 2015年03月19日 08時00分 公開
[臼北信行Business Media 誠]
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現場との温度差

 意中の人物から距離を置かれた形になる巨人からしてみれば、今回のヤンキースが発表した人事は「大ショック」かもしれない。だが、本当にそうだろうか。球界内からは「松井氏の監督就任をやたらと強く望んでいるのは巨人の球団幹部や親会社の読売本社幹部クラスだけで、それほどでもない現場レベルとは大きな温度差がある」との指摘も複数出ている。

 一部メディアでは松井氏がヤンキースで役職に就いても「巨人復帰の芽はなくなっていない」と報じられているが、どうもこれらを見ていると「消してはいけない」とする勢力からの後押しやリークを受けての記事なのではないかと勘繰ってしまう。

 実際に筆者も“ゴジラのG復帰”を猛烈にプッシュする巨人OBたちがヤンキースの人事発表後に「それでも松井は来年、巨人の監督をやるはずだぞ」「巨人のオファーからは逃げられっこない」などと根拠なく自信満々に語っている様子を目にした。

 仮に巨人が松井氏に今後もまだオファーをかけ続け、来季以降の監督就任を本人にOKさせたとしても「強引に引き受けさせた」という印象はどうしても否めないだろう。それならば無理強いせずに原監督を続投させ、今季から兼任打撃コーチに就任した高橋由伸外野手を数年後の次期指揮官として現場で育成するほうが懸命だし、ビジョンとしてはしっかりしていると個人的には思う。

 これには同調してほしいとは言わないし、異論や反論もたくさんあっていい。ただ、いずれにしても最終的には松井氏の本意に沿う形で「ゴール」が見つかってほしいと切に願っている。それは読者の誰もが同じ気持ちであろう。

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