インタビュー
» 2015年03月31日 11時00分 公開

カシオ計算機の2015年度時計事業戦略:今のスマートウオッチは「スマート」じゃない――デジタルだからこそ実現できる針の表現力とは? (3/3)

[青山祐介,Business Media 誠]
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今のスマートウオッチは、カシオの時計事業が考える“スマートさ”ではない

 さて先日、アップルが「Apple Watch」を発表し(参考記事)、ガジェット好きだけでなく一般のユーザーにも知られるようになった「スマートウオッチ」。エレクトロニクスから腕時計にアプローチするカシオ計算機にとって、スマートウオッチに関心がないわけがないことだろう。このスマートウオッチについて、カシオ計算機はどう考えているのか、たずねてみた。

 「そもそもスマートウオッチの定義がまだ曖昧で、“腕時計型をしたスマートフォンのアクセサリー”という位置づけ。使われ方もまだはっきりしない発展途上のものという見方をしている」と増田氏。腕時計は毎日身に着けるものとして防水性をはじめとしたデュラビリティが必要であり、今のスマートウオッチのように頻繁な充電が必要なものであってはならない。その一方で、Bluetoothのような超ローパワーの通信技術や高度な演算処理をベースにした高い表現力は、もしかしたらいずれはスマートウオッチと同じ存在になるのかもしれないという。

 確かに広い意味で捉えると、スマートフォンのアクセサリー的なものだけでなく、アクティブトラッカーやフィットネストラッカーなど、およそ腕に着ける腕時計状のものは、いまやさまざまな用途、スタイルのものがある。さらには時計メーカー、スマートフォンメーカー、さらには異業種から参入してきた新興メーカーなどプレーヤーもさまざま。ただしこうしたデジタルデバイスの進歩は速く、その姿も時々刻々と変わっていく。また、こうした新しいデジタルデバイスはアセンブリビジネスでもあり、その行く末はスマートフォンやテレビ、デジカメのように、そのジャンルのパイオニアがマーケットから退場することにもなりかねない。それだけにカシオ計算機として戦略なしに踏み込むことはできないと話す。おそらくカシオ計算機が手がけるスマートウオッチには誰しもが期待するところだが、そのありようについては最後に次のように説明してくれた。

 「もちろんエレクトロニクスの企業として、いわゆるスマートウオッチのようなものの研究開発は行っている。ただ、我々カシオ計算機の時計事業として考える“スマートなウオッチ”はこれではない。私たちは時計を作っているのであり、スマートフォンとつながるとしても、時計だけでは複雑になってしまう操作をスマートフォンを使えば簡単にできるとか、スマートフォンに届いたメールやSMSの“気づき”であればいい(参考記事)。そもそも腕時計は外出先や動いている時にパッと見て時刻が分かるというのが本来の役目であり、そんなときには複雑な操作はなかなかできないもの。それをやるならスマートフォンを取り出してやった方がいい。だからこそ『私たちが作る“スマートウオッチ”は何か』ということは、これからしっかり見極めなければならない」。

スマートウオッチへのカシオの解の一つと言えるのが「EDIFICE EQB-500D-1AJF」。希望小売価格は4万円(税別)。iOSとAndroidに対応したアプリ「CASIO WATCH+」により、スマートフォンと接続して各種操作ができる

 →「カシオ2015年春夏新作ウオッチ展示会:高機能ハイエンドのバリエーションが多彩に――最新G-SHOCK & OCENUS」

 →「BASEL WORLD 2015:カシオ、GPS対応のG-SHOCKや最上位モデル「MR-G」のバーゼルスペシャルを発表」

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