「りんごとはちみつ恋をした♪ ハウス、バーモントカレー」――。1973年から12年間、歌手の西城秀樹さんがテレビCMに出演しているのを見て、「ヒデキ、感激」といったキャッチコピーを記憶している人も多いだろう。その後、CMにはイチロー選手やHey! Say! JUMPなど各界のスターが登場している。
子どもから大人まで、多くの人が大好きな「カレーライス」。日本の国民食になるきっかけをつくったハウス食品が、いま中国でカレーを“人民食”にすることにチカラを入れている。
2004年に現地法人の上海ハウス食品を設立。2005年に「百夢多カレー(バーモントカレー」を中国で発売した。カレールーの販売は右肩上がりで伸びていて、2013年3月期、売上高は前期から32%増加し、初めて黒字化を達成。今期も目標の数字を上回る見込みだという。
中国で“カレー人民食化計画”が着々と進んでいるようだが、ここで素朴な疑問がひとつ。中華料理店に足を運ぶと、円卓の上に大皿があって、そこに盛り付けてある料理を取り合って食べることが多い。白いご飯の上にカレーをかけて食べる、いわゆる“ワンプレートスタイル”をあまり見かけないが、現地の人たちにどのようにして日本式カレーを普及させたのか。
そんな謎を解くために、ハウス食品・国際事業部の渡辺昭生さんに話を聞いたところ、現地での“地道な普及活動”がキーワードに浮かび上がってきた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。
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