コンビニ大手のローソンが、佐川急便を傘下に持つSGホールディングスと合弁会社を設立し、宅配事業に乗り出す。新会社「SGローソン株式会社」を6月に設立し、佐川急便が預かった荷物や、ローソンの店舗などで販売している商品を周辺地域に配送する。
これまで「通販で商品を買ったけど、帰宅する時間が遅いので、商品を受け取ることができない」という不満を感じていた人も多いのでは。新サービス「SGローソン マチの暮らしのサポート」(会費無料)を利用すると、そうした不満が解消されるかもしれない。佐川急便の取引先である通販事業者やオンライン事業者から購入した商品を、全国のローソンで24時間受け取ることができるようになる。例えば、自宅の近く、会社の近く、出張先のローソンで手にすることができるのだ。
サービスを利用する操作も難しくない。(1)ECサイトでコンビニ受取を選択(2)サイトから送付された受取用バーコードもしくは認証番号をローソンの店舗に設置されているLoppiに入力し、受取シートを受領(3)受取用バーコードもしくは受取レシートをレジに提示(4)店舗スタッフから荷物を受け取る――。
本サービスのもうひとつの特徴は、配送サービスを手掛ける店舗から半径500メートル以内であれば、荷物を自宅まで届けてくれることだ。まずは東京都世田谷区を中心に約20店舗でスタート。2015年度中に都内100店で展開し、2016年度に500店、2017年度に1000店まで拡大させるという。
4月7日に開かれた記者会見の席で配られた資料には、本サービスを始める狙いについてこのように書かれていた。「高齢化の進行や買い物場所の減少による買物弱者が社会的課題となっています。また、働く女性や1人・2人世帯の増加に伴う消費環境の変化により、お客様のニーズは多様化しています。自宅のパソコンやスマートフォンなどで商品を注文する方も増えています」と。
高齢化社会や核家族化などによって街が変化していく中で、「本サービスを導入すれば、お年寄りや働く女性などの課題を解決することができる」ということのようだ。しかし、疑問も残る。これまで佐川急便が配達してきた商品をローソンの店頭で受け取れるということなので、新サービスでは該当する荷物を一旦、店舗で降ろす。そして、自宅まで配送する荷物については、新会社のスタッフが台車で運ぶというのだ。つまり、ローソンまではクルマ、そこからは人力。
こうしたビジネスモデルをつくるために、新会社が設立されるわけだが、クルマ+人力による配送は効率がいいのだろうか。従来通り、クルマでそのまま運んでいったほうが、より速く荷物を届けることができるのではないだろうか。
このような疑問があったので、記者会見+その後の“囲み取材”で話されたローソン(玉塚元一社長)、SGホールディングス(町田公志社長)、SGローソン(野辺一也社長)のトップの声を紹介しよう。
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