話を元に戻します。先に挙げた還元率とポイント有効期限の違うXカードとZカードには、カード会社の狙いが隠されているわけですが、このうちのZカードに当たる、還元率が低く有効期限が長い、または、無期限のクレジットカードの代表格はセゾンカードです。
還元率0.45%の計算は、永久不滅ポイントをショッピング利用分の請求金額に充当したケース。200ポイント=900円分なので、還元率は0.45%に。これでは、お世辞でも高いとは言えません。
さらに、疑問がもう一つ。
「高還元率で、かつポイント有効期限の長いカードを利用すれば良いのでは?」
これも当たり前の話ですが、高還元率で有効期限が長いなら一番お得です。そんなカードはあるのでしょうか?
実際、高還元率でポイント有効期限が長いカードは、あります。
「レックスカード ライト」はコスパ重視型BEST5にランクインしているカードで、ポイント有効期限は24カ月。無期限とまではいきませんが、24カ月は長いほうです。また還元率に関して、とりわけこのカードは、現時点で年会費無料カードの中では最強還元率の1.25%。これならしっかりポイントを貯めることができます。
と、思いたいところですが、実は落とし穴が……。
レックスカード ライトのポイント付与方法に注目しましょう。先に紹介したポイント有効期限12カ月の3カード(リクルートカード、楽天カード、Orico Card THE POINT)、はすべて100円単位でのポイント付与でした。しかし、レックスカード ライトは2000円単位なのです。
つまり、月締めで半端になった金額(2000円未満)はすべて切り捨てになります。この半端な利用額が、クレジット会社の狙いどころなのです。
仮に、リクルートカードとレックスカード ライトの2枚で、月間利用額が1万2500円で同額だった場合の還元率を計算してみると……。
一目瞭然。ポイント有効期限が長いレックスカード ライトは、ポイント付与方式のカラクリでリクルートカードを超えることはできないのです。
結局、「高還元率でポイント有効期間が長いカード」という、利用者に本当に優しいカードはないということになります。
ポイントの有効期限は長くて越したことはありませんが、そういうカードは往々にして低還元率。しかし、クレジット会社がしかけるカラクリに抵抗したいカード利用者。ならば、結論はこうです。
「年会費無料、高還元率という条件に加え、ポイント付与単位額が低いカードを選択すること」
これがベストチョイスです。ポイント付与単位額が低いとポイント有効期限が短いですが、メインカードとして各シーンで集中して利用すれば、短期間でそれ相応のポイントが貯まるはずです。そうすればポイントを効率よく貯めることができますし、無駄なく利用できます。
上述したように、楽天カードやリクルートカードはポイント有効期限が12カ月ですが、定期的に利用することでポイント失効を防ぐことができますから、メインカードとしてイチオシです。
また、「200、300ポイント(200、300円相当)だから失効してもいいや」と、投げ出さないことが大切です。200、300円は、例えば、10万円を年利0.2〜0.3%で1年間定期預金したときに付与される利息と同等の金額です。これを捨ててしまうのは実にもったいないことです。
面倒くさがらずに電子マネーに交換したり、実店舗で買おうと思っていた商品をネットショップで買うなどすれば、しっかり利用できます。せっかく付与されたポイント、無駄にせずに使い切りましょう。
ポイント失効でもかまわないと思ったときは、クレジット会社が「ひっかかったな」と、陰でニンマリ微笑んでいる姿を思い浮かべて下さい。(堀聖人)
堀聖人
マネーの達人 編集部ライター
「お金のために働くのではなく、お金に働いてもらう」ことをライフテーマとするアラフォー。銀行にお金を預けるだけでは時間とお金を生かしきれていないと悟り、お金がお金を生む仕組みを独学で学ぶ。投資歴は株式投資8年、FX3年。開設済み証券口座は5口座、FX口座は10口座以上。株式投資、FX投資、クレジットカードをメインに鋭い視点からなるコラム執筆中。
保有資格:第二種証券外務員資格
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