マレーシアでキッズビジネスを拡大中! Jkids、人気の秘密は東南アジア発、気になるニッポン企業(2/3 ページ)

» 2015年06月25日 08時00分 公開
[野本響子ITmedia]

新興国ならではの悩みもある

 マレーシアではJkidsの名前も浸透。2014年にはベスト・キッズ・プレイグラウンド賞(AcePremier社発行の雑誌「BabyTalk」の読者投票によって選ばれたもの)を2年連続して受賞するなど評価も確立し、大型ショッピングモールの開店時には重要なテナントとしてモール側から出店依頼がくるようになった。

 40人ほどいる従業員の多くはマレーシア人。店舗の設置や遊具の修理は現地のパートナー会社と契約し、行っている。ここマレーシアでの業務は、ローカルのパートナーといかに協力するかがカギになる。例えば、マレーシアでは法律が州ごと、自治体ごとに違う。こうした法律や慣行に詳しい人材と協力していかなくてはならない。「既存店舗とほんの数キロしか離れていないのに、法律が違い、ダイレクターにマレーシア人を置かなくてはいけないというケースもありました」

 また、ショッピングモールが乱立するマレーシアでは立地の選択が非常に難しい。8店舗のうち6店舗は新規に建設されるモールに出店しているが、そのモールの集客は蓋(ふた)を開けてみるまで分からない。

 「どういうテナントが入るのかを見て、慎重に判断します。が、実際にオープンしてみると、思ったように集客できないという問題も起きます。できたモールのすぐ隣に直後に別のモールができてしまい、お客さんがそちらに流れてしまうということもありました」と木村さんは話す。

Jkids店内の様子。子どもたちが室内型の公園を駆け回っている

多角化を図り、将来は上場も視野に入れる

 店舗の数を増やす一方で、2014年からはキッズビジネスを中心に経営の多角化を図る。その大きな柱の1つが「Jアカデミー」というカルチャースクール。Jkidsの大きなパーティースペースを利用し、切り絵やベビーマッサージなどを教えてきた。今後は着付け教室や日本語教室なども企画している。

 「最近、マレーシア人が日本へ渡航する際のビザがいらなくなり、そのため、多くのマレーシア人が日本に行き、文化を知るようになりました。すると、日本で見たものを教えてほしい、やってみたいというマレーシア人の要望が多くなってきたんです」と木村さんは説明する。

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