注文住宅と建売住宅、どっちにするのがお買い得?――初期投資で比べる:4-1.住まいの選択、完全理解!(2/2 ページ)
男の夢であり、家族の夢でもある一戸建て。しかしそれを手に入れられる機会は、一生に一度あるかどうか。ならば、希望通りの住宅を何としてでも手にいれたいというのが人情。注文住宅と建売住宅、初期投資ではどれだけの差があるのでしょうか。
建売住宅に比べ、資金調達に苦労しそうな注文住宅
土地を買って注文住宅を建てる場合、資金の調達法が建売より煩雑で、ちょっとした綱渡りを経験することになるかもしれません。
まず、土地の代金をどうするか。具体的なマイホーム建築の計画がないと住宅ローンは借りられません。「いつかは建てる」つもりで土地を買う場合は、ローンを組むことが難しいのです。
でもご安心を。多くの金融機関では「土地先行融資」という方法で、住宅の建設を前提とした土地代金の融資を行なっています。これは具体的な住宅の建築計画を持っていることが前提になりますから、審査は土地と建物がセットで、設計図や見積書、必ず建築するという念書などの提出を求められます。また、土地の購入から建物の竣工までの期間はおおむね1年以内。審査時点での設計図や見積は正式のものでなくてもOKで、通ってから細部を詰める時間的な余裕もあります。
ただ、土地先行融資では、場合によっては土地代金の5割程度までしか融資が受けられないこともあるので、所持金の余裕がないと難しいケースも出てきます。
工事途中でお金の要る注文住宅、ローンを1本化できる建売住宅
注文住宅の「綱渡り」は工事代金の支払いでも発生します。契約時に手付金として30%、上棟時に中間金として30%、竣工時に残金40%というように、3回(メーカーによっては4回)に分けて工事代金を支払わなければならないのです。
ところが、住宅金融支援機構の「フラット35」などでは、竣工時に(土地分も)まとめて全額を貸し付けるというシステム。民間金融機関の土地先行融資でも、建物分の融資は竣工時に貸し付けるというケースが一般的で、中間金、あるいは手付金をどうするかが悩みの種になってくるわけです。
ただ、工務店や住宅メーカーによっては、金融機関との話が付いていて、「フラット35」でも中間金の受け取りができたり、「フラット35」の利用を前提に中間金の支払いをしてくれる金融機関もあります。しかし、そうでない場合は「つなぎ融資」と呼ばれる別の融資を受けるか、自己資金の中から中間金を支払うより仕方がないのが現状です。
一方、建売住宅は完成品ですから、中間金などのための煩雑な金策は不要。土地分も合わせて1本でローンを組むことができます。土地購入に際しての高額な仲介手数料も不要ですし、注文住宅を建設している時の仮住まいの家賃が節約できることもあり、手間も初期投資の負担も軽くできるのです。
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