現状のワークライフバランス――“あまり理想的ではない”理由
仕事と生活の調和を目指すワークライフバランス。ネットマイルの調べによると、理想としては“生活も重視”したい人が7割を超えていたが、現状は“仕事寄り”の人が5割と、理想と現実にギャップがあるようだ。
少子化や高齢化が進む中で、その対策として政府が推進するワークライフバランス。現在の仕事と生活(プライベート)の比重を聞いたところ、「5(仕事):5(生活)」の回答が20.3%で最も多く、次いで「7(仕事):3(生活)」(19.2%)、「6(仕事):4(生活)」(14.5%)であることが、ネットマイルの調べで分かった。
一方、理想の状態については「5(仕事):5(生活)」(34.0%)が最も多く、以下「4(仕事):6(生活)」(23.2%)、「3(仕事):7(生活)」(14.8%)と続いた。現状は仕事の比重が生活の比重を上回る、“仕事寄り”の人が5割ほどだが、理想では“生活寄り”または“同程度”の人が7割を超えた。
インターネットによる調査で、現在仕事をしている20歳以上の男女600人(男女300人ずつ)が回答した。調査日は9月5日。
あまり理想的でないワークライフバランス、男性30代と40代で6割弱
現在の生活は理想とするワークライフバランスと比較して、どのような状態だろうか。「理想的な状態」(12.0%)と「どちらかといえば理想的な状態」(37.2%)を合わせた“まあ理想的”は49.2%。一方で「やや理想からかけ離れている」(34.0%)と「だいぶ理想からかけ離れている」(16.8%)を合わせた“あまり理想的でない”は50.8%。男女・年代別で見ると、“まあ理想的”は女性30代が最も多く6割を超えたが、“あまり理想的でない”は男性30代と男性40代で6割弱に達した。
“あまり理想的ではない”という305人に対し、仕事と生活のバランスが理想とかけ離れてしまった理由を聞いたところ、「勤務時間外でも仕事を切り離せない」が最も多く21.3%。次いで「残業が多い」(20.0%)、「有給休暇が取りづらい」(19.7%)、「勤務時間が不規則」(16.1%)、「通勤時間が長い」(10.5%)という結果に。
年代別の特徴を見ると、「勤務時間外でも仕事を切り離せない」では、年代が上がるにつれ回答率が高くなる傾向があった。また「残業が多い」では20代が突出して多く、4割を超えた。さらに年代別で見ると、「勤務時間外でも仕事を切り離せない」では年収が上がるにつれ回答者が多く、「残業代が多い」では年収300〜500万円未満」の回答者が目立った。
関連記事
- 「仕事」と「家庭」、両立できていますか?
少子化対策の一環として政府が推進するワークライフバランス。働く人たちは仕事と家庭生活のバランスについて、どのように考えているのだろうか? 内閣府の調べ。 - 父親が子育てしやすい会社「日立製作所」がV2、中堅では「ニフティ」
ワークライフバランスの意識が高まっている中、父親が子育てしやすい会社に「日立製作所」が選ばれた。2位は「松下電器産業」、3位は「NTTデータ」、中堅企業のトップは「ニフティ」だった。ファザーリンク・ジャパンと第一生命経済研究所調べ。 - 「競争社会」に“待った”、強まる平等志向
日本人は「意欲や能力に応じ自由に競争できる社会」を望まなくなったのか――成果主義を導入する企業が増え、所得格差が広がった結果、「終身雇用」「年功序列」といった日本型の人事制度を支持する人が増えている。労働政策研究・研修機構調べ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.