父親が子育てしやすい会社「日立製作所」がV2、中堅では「ニフティ」
ワークライフバランスの意識が高まっている中、父親が子育てしやすい会社に「日立製作所」が選ばれた。2位は「松下電器産業」、3位は「NTTデータ」、中堅企業のトップは「ニフティ」だった。ファザーリンク・ジャパンと第一生命経済研究所調べ。
少子高齢化が進む中で、企業には従業員の仕事と子育ての両立を支援する取り組みが求められている。そこでワークライフバランスへの関心が高まっているが、実際に父親が子育てをしやすい企業はどこなのだろうか。
父親が子育てしやすい企業1位は「日立製作所」、2位「松下電器産業」、3位「NTTデータ」であることが、NPO法人のファザーリンク・ジャパンと第一生命経済研究所の調べで分かった。
2年連続で1位を獲得した日立製作所は、育児・介護支援・勤務形態の多様性を実現する制度を拡充。育児休職期間は小学生1年終了時までの通算3年間とし、取得回数の制限はないことなどが高く評価された。日立製作所についてファザーリンク・ジャパンの安藤哲也代表は「人事部や労働組合のスタッフはもとより、従業員ひとりひとりの意識の高さがある」と分析した。
2位の松下電器産業は、配偶者出産・家族看護・学校行事への参加などを理由に年間5日間まで取得できる「ファミリーサポート休暇」があり、2007年度には約3700人の男性が取得した。また育児のために子どもが9歳の3月末日まで利用できる「ワーク&ライフサポート勤務」は、短時間・半日・隔日勤務などがあり、男性の利用実績などが評価された。
従業員数301人以上の全上場企業に調査票を郵送(ファザーリンク・ジャパンのWebサイトでも回答を受付)し、67社が回答した。労働時間、休業制度、啓発活動などについて40項目を質問し、各制度や利用実績があるほど得点が高くなるよう配点している。調査時期は2008年4月から5月。
従業員数1000人未満の会社では「ニフティ」がトップ
従業員数が1000人未満の企業で見ると、1位は「ニフティ」、2位「マブチモーター」、3位「ユー・エス・ジェイ」。ニフティは2007年11月から、男女問わず働きやすい会社を目指し、さまざまな取り組みをしている。少人数制のマネージャー研修で外部講師を招き、ワークライフバランスについてディスカッションや全社会議などを実施していることが好結果につながった。
男性の育休取得状況を見ると、取得がゼロだった企業数は昨年71%だったが、今年は49%に減少。また短時間勤務が可能な子どもの年齢制限は、昨年5.6歳だったが今年は7.0歳と伸びたり、配偶者出産休暇の日数も昨年2.7日だったが今年は3.3日と、子育て環境が徐々に向上しているようだ。
第一生命経済研究所の松田茂樹主任研究員は「ノー残業デーや在宅勤務を行う企業は増え、配偶者出産休暇の制度が充実している。中でも在宅勤務の広がりに注目していきたい」とコメントした。
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