賃貸 VS. 購入はどちらが合理的?――住居スタイルで比べてみる:1-2.住まいの選択、完全理解!
買うべきか、借りるべきか……。住宅に関する悩みはいろいろありますが、今回はインテリアなど「住宅スタイル」にスポットを当てて賃貸と購入を比較。それぞれのメリットとデメリットを知り、自分にぴったりなプランはどちらかを検討してみましょう!
「住まいの選択、完全理解!」とは?
人の暮らしに欠かせない「衣食住」の中の1つ、「住まい」。人のライフスタイルが様々になったように、住居形態や住み方にもたくさんの選択肢が増えました。でも、あなたは自分に本当に合う住居スタイルをすぐにイメージできますか? 本連載では、住まい選びをする際のお手伝いとなるポイントをまとめていきます。
※本記事はHOME'S CLUBが執筆しています。本記事のテーマに関連するさまざまな調査結果や、住まいにまつわる一般の声についてはHOME'S CLUBの「住まいの選択、完全理解!」で読むことができます。
ライフスタイルの多様化にともない、近年では住み心地=デザイン美・機能美の良さと考えている人が増えています。人と異なる住まいで自分らしさを表現したい、お気に入りのデザインや設備の中で暮らしたいなど、従来のマンション・アパートにはない、こだわりを持った家に住むことで心地よさを感じる人が多いようです。
その代表的な物件が「デザイナーズマンション」で、入居者待ちが出る人気の賃貸物件もあるほど。下図を見ると、「賃貸」の住宅を借りる上でその物件に決めた理由として、「家賃が適切だった」に次いで、「周辺環境やデザイン、設備など」を重視している人が多いことが分かります。リフォーム不可が通常である賃貸は、物件そのものを変えることが難しい分、デザイン性や機能性などを物件の決め手にしているようです。
また、建物の経年により時代に合わなくなった機能や性能を、大規模な改修工事で改築し、見た目と機能をともに向上させた「リノベーションマンション」も近年増えてきています。
さらに、「今借りている部屋に飽きてしまった」「周辺環境の変化により住み心地が悪くなった」「仕事の都合で引っ越しをすることになった」など状況や気分に応じて気軽に転居することができるのも賃貸住宅の魅力の一つ。
物件に対する自由度が低く、建物を傷つけないようにするなど注意が必要ではありますが、デザイン性や機能性を重視して物件を選ぶことが住宅スタイルを楽しむ秘訣といえるでしょう。
大きな自己資金が必要となるが、自分にぴったりの住まいが見つかる「購入」
住む人の意志に合わせた物件が手に入る「購入」の一番の魅力は、リフォームやリノベーションができることにあります。大まかな定義としては、建物の外装や内装を模様替えする「改装」、設備機器などの修理や更新、雨漏りや外壁のひび割れなどを直す「修繕」などを行なうのがリフォームです。新しい部屋をつくる、2階を建て増すなどの「増築」、床面積はそのままで住宅の中の間取りを変える「改築」など大掛かりなものになるとリノベーションになります。
生活スタイルの変化に合わせて便利にすることはもちろん、傷んでいるところを直して住まいを長持ちさせることもリフォームやリノベーションの重要な役割です。
下のグラフを見ると、リフォームやリノベーションを実施した内訳を見ると、すべての地域で「模様替え」が最も多い理由となっています。購入当初はベストだった住宅スタイルも、年を重ねるごとに家族構成や生活スタイルが変化し、それに合わせた住宅スタイルが必要となるものです。そんなときに、「壁を取り除き部屋を広くする」「内装を一新する」「畳からフローリングに変更する」など建物の内外装に手を入れる改装工事を施して、より快適に暮らせるよう住まいを変えたいと考える人が多いことが分かります。
最後に、自分に適した住まいづくりができる購入住宅は、自分のものである分、大きな買い物であるため住み替えが簡単にできないことや、建物のメンテナンス費や維持費の負担、転勤などによる大きなライフスタイルの変化に対する対処が難しいことも覚えておきたいポイントです。
リフォームはすべて自己負担の「購入」、リフォーム不可だが住み替え自由の「賃貸」
人生の大きなテーマの1つである「賃貸か、購入か」の悩み。コストはもちろんのこと、いろいろな面から比較・検討することが大切です。
自分自身がオーナーとなる「購入」では、変化していく生活スタイルに合うよう、都合のいい時期に好きなようにリフォームすることができ、住まいに対するいろいろな不満や不安を解消し、居住性を高めることができます。しかし、メンテナンス費・維持費などの資金の多くが自己負担となり、転勤などによるやむを得ない引っ越し時の際に住み替えることが難しいのがデメリットといえます。
借りて暮らす「賃貸」のメリットは、自由に住み替えることができるため、勤務地や生活スタイル・気分の変化に対応することができ、設備の保守は家主の負担となるため維持費等がかからないこと。さらには近年話題のデザイナーズマンションやリノベーション済み賃貸物件など、リフォーム不可の不満を解消するおしゃれで便利な物件を利用するという手もあります。デメリットは、自分の意志だけでリフォームや建て替えができない、設備や間取りが自分に合わない、家主や建物自体への配慮が必要、場合によっては敷金が戻らないなどが挙げられます。
このように、賃貸も購入もそれぞれメリット・デメリットがあり、ライフプランや生活スタイルは住宅を考える上で大きなポイントになることは必須です。「住宅スタイル」にこだわりたい場合、何が自分の暮らしにベストなのかを考え、個々に合った物件の形を自分で選び出すことが重要といえます。
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